180最近、図書館に行きましたか?
師走も後半にさしかかる頃、日本北部に巨大な爆弾低気圧が停滞し大雪や暴風に見舞われる日本列島。関東にも冷たい北風が吹き荒れ、平日の夜ともなればコートの襟を立て足早に家路を急ぐ人々。そんな中、横浜市のベッドタウン、青葉区にある横浜市山内図書館には50名近い人が詰め掛け熱い時間を共有しました。


2014年最後のビブリオバトル in 有隣堂は『未来の図書館、はじめませんか?』(岡本真・森旭彦/青弓社)の刊行を記念し、図書館にてスペシャル企画!
題して、未来の図書館対談×ビブリオバトル in 山内図書館!

image003

「まちと図書館」について、ビブリオバトルと対談を通して著者のお二人と図書館に携わる方々をお迎えし、お話を伺います。
まずはゲストの皆さんに開始前のバックヤードにてビブリオバトル in 有隣堂では恒例のPOPを和やかに書いて頂いています。

image005
 

ビブリオバトルとは?
本の紹介を通して様々に人と本との出逢いを楽しむコミュニケーションゲームです。
ルールはとっても簡単。


→ルールをもっと詳しく読む(有隣堂ホームページ)

今年2014年12月にはビブリオバトルをテーマとする初のシンポジウムが京都で開催されるなど全国でも広がりを見せています。

 

第1部 ビブリオバトル

まずは第1部ビブリオバトル。今回の本のテーマは「まち」です。どんな本が登場するのでしょうか?
5名のゲストの皆さん。それぞれ何者なのかは後回し。

image007

くじ引きを引いて頂き順番を決めたらカウントダウンスタート!

----------  
まず最初の発表者となったのは岡本 真さん。今年仕事やプライベートで全国を移動した距離12万キロ!

08岡本さん2
地域を変えるミュージアム

「この本を読むとミュージアムの認識が変わります。博物館がどんな風に暮らしを変え、町を変え、地域を変えていけるのか。何かお宝を置くだけではなく、新しい発見や歴史・文化に触れ、体験できるおもしろい場所、それがミュージアムなのです」

約30の施設についての実地調査と、理論的な研究がわかりやすくまとめられた1冊で、神奈川県にあるミュージアムも2箇所取り上げられているそうです。この本を読んでから実際に訪れてみると一層面白そうですね!

『地域を変えるミュ-ジアム 未来を育む場のデザイン』
玉村雅敏/英治出版/2,200円+税
HonyaClub詳細 在庫検索

----------
  
続いて2番手は森 旭彦さん。最近気になるのはレーザーだとか(笑)。

11森さん1
僕たちは島で、未来を見るこ

「社会をつくるってイメージしづらいと思いますが、島なら規模がはっきりしていてイメージしやすいですね。これは島根県海士町(あまちょう)でそのモデルを作ろうとした話です。少子高齢化の社会、この先50~60年先の未来がここにあります」

夢を求めてど田舎に行くことが今の若者の傾向をあらわす一方、100万円とMacを持って上京しライターとして仕事を作ってきた同年代の森さんの思いには通ずるものがあるようです。

『僕たちは島で、未来を見ることにした』
巡の環/木楽舎/1,800円+税
HonyaClub詳細 在庫検索

----------
  
3番手は古川 たか子さん。これまでの引越歴はなんと13回!

15古川さん2
町内会は義務ですか

「団塊世代の著者が甘いささやきによって新米町内会長となってしまったルポルタージュ。大勢の人から吊るし上げられたりして、文章はユーモラスですが、現実にはたまったものじゃないでしょう。そこからまったく新しい町内会を作りあげていくのです」

「楽しく町内会に参加するには?」との質問には、「町内会の行事には受け身の参加者ではなく積極的に主催側として関わってみては」とお祭好きという古川さんらしく助言されていましたよ。

『“町内会”は義務ですか? コミュニティーと自由の実践』
紙屋高雪/小学館新書/740円+税
HonyaClub詳細 在庫検索

----------  
4番手は坪内 一さん。趣味は合唱(バス・バリトン)という美声でプレゼン!

16坪内さん1
反骨の公務員、街を磨く

「“良い町は住民自分たちが自立しないと真に活性化しない”と語る愛媛県の内子町役場職員ぶんしゅくさんこと岡田文淑さんは反面、公務員に対しても“住民にとって元がとれる公務員になれ”と厳しい目を向ける姿勢、思いに自身も学ぶところの多い1冊です」

愛媛県内子町はロウソクのロウで栄えた商家の町。その歴史的景観の保存運動を貫いたひとりの公務員と出逢った著者の聞き書きの本です。ないものねだりをせず引き算のまちづくりとは?

『反骨の公務員、町をみがく 内子町・岡田文淑の町並み、村並み保存』
森まゆみ/亜紀書房/1,800円+税
HonyaClub詳細 在庫検索

----------

最後の発表はこのメンバーで唯一初ビブリオバトルの矢野未知生さん。

18矢野さん1
演劇は仕事になるのか

「いかに演劇が食べられないか。では演劇を仕事にしていくにはどうするか? 劇場へ視点を移し公共施設を使うなど、地域に根ざしたコンテンツを作っていくことや発信のしかたを見直すことが必要なんじゃないかという方向性を示しています」

出版社で編集を担当するかたわら、社会人劇団を主宰され脚本を書くご活動もされているという矢野さん。「まちとコンテンツ作り」という視点からの演劇論。矢野さん主宰劇団の公演にも注目したいですね!


『演劇は仕事になるのか? 演劇の経済的側面とその未来』
米屋尚子/彩流社/2,500円+税
HonyaClub詳細 在庫検索


----------

さあ、「まち」をテーマに様々な5冊の本が登場しました。
今回は第2部の未来の図書館対談への布石ともいえるビブリオバトル。皆さんのお仕事やライフスタイルにも関わるメッセージ性の強いご紹介となりましたね。

image029

この中から「どの本が一番読みたくなったか?」を基準にご来場の皆さん全員でひとり一票、投票をする時間です。
バトラーの皆さんも、ご自身が紹介された本以外に投票をして頂きますよ。
  
気になるチャンプ本は?!




チャンプ本

僅差の結果、森さんご紹介
『僕たちは島で、未来を見ることにした』に決定ー!!
おめでとうございますー!!

image031

実はこちらの本、森さんご自身が編集を手がけた思いある1冊だったのです。
会場の皆さんにもその熱意が響いたのでしょうね。

また素晴らしい本を淀みなく鮮やかにご紹介してくださったバトラーの皆さんにも大きな拍手が贈られます。ありがとうございました!
ご覧の皆さんも気になる1冊がありましたらぜひ読んでみて頂き、感想などもお聞かせ頂けると嬉しいですね。
自分たちの住む町や暮らしを考える、何か新しい発見やヒントが見つかるかもしれませんよ。

IMG_2390

今回ご紹介された本たちは一部を除き、会場となった横浜市山内図書館の売店「山内堂」および有隣堂たまプラーザテラス店でもお取り扱い中です。(2014/12/28頃までを予定)
※『“町内会”は義務ですか? コミュニティーと自由の実践』(紙屋高雪/小学館)は横浜市山内図書館、 『演劇は仕事になるのか?演劇の経済的側面とその未来』(米屋尚子/彩流社)は横浜市中央図書館に所蔵されています。
  

第2部 未来の図書館 対談

それでは、第2部未来の図書館対談へと移ります。

24
25

矢野さんを除く4名の方にふたたびご登場頂きます。謎のバトラーの皆さんの正体が明らかに(笑)!


23未来の図書館対談

岡本 真 氏
【右】
(おかもと まこと) 東京都生まれ。アカデミック・リソース・ガイド株式会社 代表取締役、プロデューサー。
編集者などを経て、1999年、ヤフーに入社。「Yahoo!カテゴリ」「Yahoo!検索」などの企画・運用に従事した後、2004年には「Yahoo!知恵袋」の企画・設計を担当。
2009年に同社を退職し、現在に至る。
森 旭彦 氏
【左】
(もり あきひこ) 京都府生まれ。理系ライターズ チーム・パスカルで活躍するライター。
主にサイエンス、アート、ビジネスに関連したもの、その交差点にある世界に興味があり、ライティングを通して書籍、Webなどで創作に携わる。理系の知識と、文系のバックグラウンドを生かし、サイエンスの世界を知的好奇心溢れる文体で表現することを得意としている。
代表作:成毛眞『面白い本』『もっと面白い本』(岩波書店)、阿部裕志・信岡良亮『僕たちは島で、未来をみることにした』(木楽舎)ほか、東京大学 大学院理学系研究科・理学部『リガクル』などで多数の研究者取材を行っている。
坪内さん・古川さん
坪内 一 氏
【左】
(つぼうち はじめ) 横浜市中央図書館 企画運営課長。東京都生まれ。
1983年4月、横浜市役所に入庁。司書として地域図書館に配属される。その後、中央図書館の開設準備に携わるほか、地域文化振興、文化財保護、博物館運営、学校保健、資産活用などの関係部署に勤務。財団法人全国市町村研修財団に派遣され、調査研究部教授として、自治体の職員、首長、議員に対する研修の企画・実施に携わる。2011年5月から現職。
趣味は、図書館めぐり、音楽鑑賞・作曲・合唱(パートはバスバリトン)など。最近はこれに、ビブリオバトルへの参加が加わった。
古川 たか子 氏
【右】
(ふるかわ たかこ) 横浜市山内図書館館長。茨城県出身。
図書館司書の道を選んだのは高校生の時。県内高校で1、2位の蔵書数を誇る高校で「文学集全巻を読みつぶして」。ご主人のお仕事で渡米、現地で小学校ボランティア司書を経験。帰国後、2010年から山内図書館へ。
図書館では歴史の紐解きに尽力、郷土史資料コーナーを担当、大山街道を歩く会、開発を振り返る講演会を企画。「図書館から新たな地域連携を見つけていきたい」と、大好きな本に囲まれた図書館から、地域を見つめる。
第2部の未来の図書館対談では、書籍『未来の図書館、はじめませんか?』のお話を紐解き、著者のお二人と日々地域の図書館で奮闘されるお二人に、図書館界の大きな潮流から現場目線の理想と現実まで、フランクにお話し頂きました。その模様は動画でぜひご覧ください。



いま、わたしたちの図書館は変わろうとしています。
それを実現するのは、「誰か」ではなく「わたし」です。明日からでも私たち一人一人にできることがあります。
“ひとつとして同じ町がないように、ひとつとして同じ図書館はない”
全国各地の多様な図書館の取組からヒントを見出し、自分たちの町にはどんな図書館が必要なのか、何か「拡張」できる魅力はないのか、あらためて考えてみませんか?

今回も素晴らしい出逢いと発見の場となりました。
ゲストの皆さん、ご来場くださいました皆さん、開催にあたり準備から片付けまでご尽力頂きました図書館はじめ関係各所すべての皆さんへ心より御礼申し上げます。

----------


2014年のビブリオバトル in 有隣堂は今回をもちまして終了となります。気づけばあっという間の1年間でございましたが、主催開催数は13回を数えました。延べご参加人数は465名!
たくさんの方とたくさんの本との出逢いがあり、それぞれにお楽しみ頂けました。
本当にありがとうございます。


「楽しかった!」「また来たい!」というお声掛けが何よりの励ましとなり、また次回へと意欲を燃やす原動力となっております。来年もまた引き続き、常連さんにも、はじめましての方にも「来て良かった」と感じて頂けるような素敵な空間を作っていけるようチーム一丸となって精進努力してまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。


皆様が心暖かで笑顔に満ちた素敵なクリスマスと新年を迎えられますように。


文/ビブリオバトルプロジェクトチーム 市川


未来の図書館対談×ビブリオバトル in 山内図書館
開催日2014/12/17(水)
会場横浜市山内図書館 集会室
本のテーマ「まち」
概要第1部:ビブリオバトル/第2部:対談

▼バトラーさんの発表も動画でご覧いただけます。


下記の各ページにて、ビブリオバトル in 有隣堂の最新情報をお知らせしています。
参加のご予約・バトラーご応募も承っております。お気軽に遊びに来てください!
※2015年の開催情報は少々お待ちくださいませ!(2014/12/22現在)

ビブリオバトル in 有隣堂 公式Facebook
https://www.facebook.com/BibliobattleinYurindo
※Facebookでのご予約・お申し込みは、Facebookにログイン後、上記ページ内「イベント」から各回のイベントページで「参加」をクリック!

有隣堂ホームページ ビブリオバトルお知らせページ
http://www.yurindo.co.jp/storeguide/24993
メールでもご予約・お申し込みいただけます。
2014/2/28以前の記事は、5%税込の商品価格を表示しています。
本体価格(税抜価格)はリンク先のHonyaClub、在庫検索などでご確認ください。
----------