01honten自分たちの住む町に本屋さんがなかったとしたらどうだろう?
図書館やインターネットがあればいい?
  
有隣堂は、1909年(明治42年)の創業以来、関東大震災(大正12年)、横浜大空襲(昭和20年)、戦後10年に及ぶ接収と、幾多の困難の道を横浜の地で、その独自の経済と文化の発展とともに歩んできました。出退店を繰り返し今では神奈川県を中心に東京、千葉を含め約40店舗を構える当社ですが、見た目は変わっても長いこと同じ場所にある、地域に根ざした店舗も多いんです。

そんな有隣堂の激動の歴史も垣間見て頂けるのがこちら、夏葉社さんの『本屋会議』。

『本屋会議』表紙
本屋図鑑編集部:編/夏葉社/1,700円+税
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生まれも育ちも横浜、生粋のはまっ子である当社役員がインタビューを受け、自身の新人時代から店長へと立場を替えながら港町横浜の進取の気性を取り入れ、「有鄰」の精神を現代まで受け継ぎ店作りに携わってきた道筋を語っています。

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さあ後編のレポートは、『本屋会議』刊行記念スペシャル!やっぱり、町には本屋さんが必要です談義×ビブリオバトル in 有隣堂!
第1部で本屋さん好きな皆さんのビブリオバトルをお楽しみ頂いた後の第2部、お待ちかね、夏葉社・島田潤一郎さんのお話をお届けします。

『本屋会議』スペシャル!
やっぱり、町には本屋さんが必要です談義×ビブリオバトル in 有隣堂
開催日2015/2/15(日)
会場伊勢佐木町本店 別館
概要第1部:ビブリオバトル/第2部:島田潤一郎さんトーク


第2部 やっぱり、町には本屋さんが必要です談義


04島田さん1

ここで嬉しいニュースが! 昨年11月、島田家に待望のお子さん誕生!
おめでとうございます! 健やかに大きくなりますように。

以下、島田さん談

「吉祥寺で出版社をひとりでやっています。本を作って発送したり営業行ったり返品された本のカバーを巻き返したり、そういうことも含めてひとりでやっています。
今日初めてビブリオバトルを拝見したのですが、皆さん非常にプレゼンが上手で、あと5分というのがいいなと。僕、40分も時間があってすごい時間が長く感じると思うので、一回、前半のビブリオバトルの内容は忘れて、空っぽにして聞いてください」

(会場、笑)

05島田さん2

「なぜひとりで出版社を始めたのかというと、『あしたから出版社』(晶文社刊)でその5年間の軌跡をまとめていますが、もともと出版社をやりたくて始めたわけじゃありません。僕が31か32才の時にそれまでの仕事を辞めて一週間くらい経ったとき、親しい従兄弟を亡くし、ショックをうけてうつ状態になってしまいました。仕事もやる気がなくなり、就職試験も50社連続で落ちて。
そのときに、ずっと本が好きだったので、叔父と叔母のために何かをしようと、従兄弟の残りの人生を生きるような気持で本を作ることを始めたんです。本が救いになりました。そのときに出したのが『さよならのあとで』、一編の詩を2年かけて本にしました。それを叔父と叔母に渡しました。
読んだ人から「とても良かった」と言ってもらえて、ようやく肩の荷が降りた気持になれたんですね。
本の持つ力は中身だけじゃなく、もっともっと大きいものだと思っています。
本屋さんに行って見て、手にとって、レジでお金を払って家に持って帰る。それを自分の本棚に置いてってところまで含めて本の魅力だと思っています。
そういったことを割とさっきのビブリオバトルで皆さんおっしゃっていたので、しゃべることないなあと。まあ、あの通りなんです」

(会場、爆笑)

06島田さん3
  
「ええと何を話したら……
“町には本屋さんが必要です会議”というところに焦点を当てて話していこうと思います。
全国で本屋さんの声を聴くという会議を行いました。なぜか?
起点がひとつありまして、それは『本屋会議』から遡って1年前に出た『本屋図鑑』。47都道府県の本屋さんを体当たりで取材しています。なぜこのようなことをしたのか。
ふたつ理由があります。ひとつは土日が暇で辛かったんですね。(※その事情はオフレコとのことです。笑)
あともうひとつ、当時“本屋さんが面白い”という趣旨の雑誌が流行っていて、よく観ていたのですが、そういう本屋さんは“写真映えする本屋さん”が多かった。もっと違う本屋さんの魅力があるはずだ。こどもの頃から通って成長とともにあった普通の本屋さん、もっと根源にある本屋さん、生活の中にある本屋さんを伝える本を出したいと思うようになりました。
『本屋図鑑』は本好きの根っこにあるような本屋さんを描けたと思います。そんなときに、本の中にも登場する海文堂書店さんが閉店するという情報が出てきました。経営的に立ち行かなくなって閉店しなければならないと。いい書店員さんがいて、いい本があって、という本屋さんが成り立たなくなっているという危機感を覚えたんですね。
小さな本屋さん、生活に身近な本屋さんがなくなっていくということは、つまり本離れにつながる。それなりに長いものを読むためには訓練が必要で、ある日突然読めるようになるわけじゃない。こどもの頃から大人になるまで、本と本屋さんとお客さんとの関係の中で広がっていくものだと思うんです。それが失われつつある。
そのときに、出版社ではなく、いち読者として、本屋さんが残っていくためには何が必要なんだろうと一年かけて考えてきました。それが“町には本屋さんが必要です会議”であり、そのダイジェストがまとめられたのが『本屋会議』です」

ここから先は、島田さんが事前に用意してくださったレジュメに沿ったお話となりました。

07島田さん4
こどもの頃、親に連れられて入る初めての本屋さんデビューを経て、お小遣いからコミックを買い、辞書や参考書を求め、放課後は流行りの情報を得るために雑誌コーナーに通い、少しずつ自分で本を選ぶようになり、大人になって生活圏が広がると本屋さんを選ぶようになって、知の世界が広がっていく。
そんな成長とともにある本屋さんの姿は過去のものなのでしょうか。

わたしたちは、こどもの頃に経験する“身近な本屋さん”という社会との出逢い、その小さな最初の芽を増やす努力を続けていかなければならない、それは自分の生活の中に好きな本屋さんをもう一度発見することだという島田さんの言葉に、皆さんじっと耳を傾けていました。

そして今回は書店・出版・図書館関係の方も多かったご来場の皆さんからの質問では、地域の図書館との連携や、大型チェーン書店との共存など、意識の高まる難しい問いが出されましたが、言葉を選びながら真摯に答える島田さんに、大きな拍手が寄せられました。

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08サイン!

最後は『本屋図鑑』『本屋会議』の共著者でもある、ライターの空犬太郎さんにも飛び入りゲストにお越し頂き、サイン会。
ひとりひとりと和やかに言葉を交わしながら快くサインに応じる島田さんと空犬さん。
飾らない等身大の言葉と、人の心に寄り添うの距離の近さが、多くの人の共感と反響を呼んでいるのですね。
島田さん、空犬さん、ありがとうございました!!!


今回、会場では…


09展示

会場では、昭和の町の本屋さんが多く語られる『本屋会議』にちなんで、有隣堂伊勢佐木町本店、横浜駅西口ザ・ダイヤモンド店、ルミネ横浜店を中心とした懐かしい写真を展示、ミニ回顧展を開催しました。

10展示

昭和30年代の横浜・伊勢佐木町の様子や当時の広告などの秘蔵資料に感嘆の声を上げる方やフリースペースにコメントをくださる方など、それぞれに楽しんで頂けたようです。
謎の楽譜も発掘、いえ発見され、今後の展開も乞うご期待(?)

11展示

ご来場くださいました皆様、本当にありがとうざいました。
また次回、お会いできます日を楽しみにしています。


文/ビブリオバトルプロジェクトチーム 市川


第1部として開催いたしました、ビブリオバトル。バトラーさんの発表を動画でもご覧いただけます!
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