621『負けんとき』/玉岡かおる/新潮社/630円+税外部リンク 
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この作品の主人公は実在の人物で、明治から昭和の時代を生きた、一柳満喜子という子爵令嬢です。

満喜子は、封建的な父親との確執や、身分違いで叶わなかった恋など、多くの苦悩の中で育ちます。
しかし、後に夫となるアメリカ人建築家メレルと出会い、彼の明るさや自由な発想に触れることで、「教育者」としての自分の生き方を見つけて行きます。
この一柳満喜子をはじめ津田梅子や大山捨松など、女性が生きにくい時代に、勇気をもって自分の選んだ道を突き進んで行った先人達には、本当に頭が下がります。
自由に生きる事が出来る今の時代の私達は、先人達が築いた道を無駄にしてはいないかと、考えさせられました。
「どんな状況にあっても、多くを学ぶ事で、人生を豊かに生きて行ける」と思わせてくれる作品です。

また、2016年のNHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の主人公のモデル、広岡浅子も登場します。
男勝りの勇気と才能を活かし、実業家として強く生きた姿が描かれています。
次のドラマが楽しみになりました。

文/ テラスモール湘南店・UR
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