366『「罪と罰」を読まない』/岸本佐知子・三浦しをん・吉田篤弘・吉田浩美/文藝春秋/1,550円+税外部リンク 
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タイトルと著者(=読書会メンバー)を見て、「あ、これ絶対面白い」と思い、即買いしました。

ドストエフスキーの『罪と罰』を読んだことのない4人が集まり、わずかな手がかりと「謎の影絵(!)」を基に、大胆にも『罪と罰』を読まずに、内容を推理し、語り合ってしまおうという、とんでもない読書会。
三浦さんの暴走&妄想に岸本さんが拍車をかけ、篤弘さんが冷静に話を進めたかと思えば浩美さんの「影絵」情報が会を翻弄し・・・と、ノンストップの面白さで、まるで自分も読書会に参加しているかのような気分に。

実際に小説を書いたり翻訳をしたりされている方々だからこその視点はとても興味深いですし、その一方で、岸本さんの「どっちもワルよのう」発言や、「ラズミーヒン=松岡修造、ラスコ(主人公のラスコーリニコフを会ではこう呼んでます)=いきなり帰るマン」というあだ名付けなど、思わず吹き出してしまうような場面も多々あり、とにかくこの4人のバランスが絶妙なのです。

三浦さんのあとがきの言葉「『読む』ははじまっている。『読む』は終わらない。」が表しているように、こんな楽しみ方もあるんだ!と改めて本を読む楽しさを教えてくれる1冊。
『罪と罰』を読んだことのある方もない方も、この型破りな読書会にぜひご参加ください。

ちなみに吉田ご夫妻ですので、装丁もとても素敵です!

文/ アトレ恵比寿店・SY
・2021/3/31以前の記事……税別の商品価格
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