484『和菓子のアン』/坂木司/光文社 光文社文庫/667円+税外部リンク 
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梅本杏子18才、進学するほど勉強が好きではなく、専門学校にいくほどのやりたいこともなく、就職するのもピンとこない、と進路を決めずに高校を卒業する。
やりたいことが見つからず、ちょうっと焦りだした5月、気晴らしに東京百貨店のデパ地下に出掛ける。
ぽっちゃり系で平凡な容姿のためファッションやアクセサリーには興味のない杏子が、これだ!と思ったのは食べ物を売る仕事。
お惣菜よりお菓子がいい、可愛い制服が洋菓子店はダメ、男性がいない方がやりやすい、とネガティブな消去法で決めたのは和菓子屋のみつや。
とんとん拍子で採用が決まり、杏子は食べるのは好きだが知識がない和菓子の世界に足を踏み入れた。

仕事はプロフェッショナルで一見上品な大人の女性だが、中身はおっさんでギャンブラーという椿店長や、外見と中身にもっとギャップがあるイケメンの立花さんらに囲まれ、杏子=アンは和菓子屋の店員として少しずつ成長していくのである。

日本人なのに知らなかった美しい和菓子の来歴や名前のいわれ、季節の行事に因んだ芸術的で美味しそうな和菓子の数々(本当に食べたくなるような表現力!)それらを買いにくるお客様たちの日常ミステリー、そして気になるアンちゃんと立花さんの関係はどうなっていくのか・・・など見どころは満載で、読み終わると、第二作目の『アンと青春』や『和菓子のアンソロジー』も読みたくなるのは間違いない。

加えて、和菓子屋に行ってショーウィンドウにかじりつき、どれにするか悩みたおすという楽しみが出来ることも請け合いなのである。

文/ アトレ新浦安店・MT


『アンと青春』
坂木司/光文社/1,600円+税
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『坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー』
小川一水・北村薫ほか/光文社文庫/660円+税
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