『桃太郎が語る桃太郎』1人称童話 vol.1/クゲユウジ:文 岡村優太:絵/高陵社書店/1,000円+税
むかしむかし、あるところに――。
お馴染み、昔話のはじまりのフレーズです。
この「桃太郎」もそうかと思いきや、「すうーっといきをすいこむと、あまくてやさしい、いいにおい。ぼくは生まれる前、大きな桃の中にいました。」とはじまります。
なんと、語っているのは桃太郎本人です。
この本は、主人公の桃太郎のまなざしと心で語られる、ちょっとかわった「一人称」童話なのです。
桃太郎は おじいさんとおばあさんの優しさと温もりを感じながら、モリモリ食べて大きくなっていきます。
鬼退治にゆくと自ら決めた時、実はちょっとこわくなってきたこと。でも、犬、さる、キジと出会ってホっとしたこと。仲間ができて喜んだこと。つぶさに桃太郎の心情が語られ 短いお話の中にポロッとする場面もあります。
読み終わったあと、「私だったらどう思うのかな?どうするかな?」と感じている自分がいるでしょう。
是非、お子様と一緒に読んで「心」を想像してみると良いでしょう。
ちなみに続刊予定があるようです。
文/ 伊勢佐木町本店・YJ