目の見えない子ねこ、どろっぷ『目の見えない子ねこ、どろっぷ』/沢田俊子:文 田中六大:絵/講談社/1300円+税外部リンク 
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小学3年生の修了式の帰り、つぐみは目ヤニだらけの子ねこと出会います。
哀れに思ったつぐみはその子を家に連れて帰ります。すでに三匹もねこを飼っていたので、お母さんからたしなめられますが、必死に説得します。「どろっぷ」となづけられた子ねこは手術をうけ、目が見えなくなってしまいますが、やがてその状態にもなれて、つぐみと他のねこと暮らしていくことになります。一方でつぐみは、懸命に生きるどろっぷの姿をみて、恥ずかしがりで内気な自分を改めていこうと決意するのでした。

どろっぷの健気の姿には本当に感動をおぼえます。
しかし、本作で注目していただきたいのは主人のつぐみです。
「つぐみはとてもはずかしがりやで、自分の考えていることを言え」ません。
「てきぱき・・・それができないのがつぐみです」
小学生のころわたくしもそうだったので、つぐみには共感をおぼえました。そうした弱点を直していく姿はほほえましい。大人になっていくと弱点に気づいていても直していくのは難しいものです。そして指摘されるとみっともないことに逆ギレしてしまうこともあります。つぐみの姿勢は大人にとっても模範的です。

命を大切にすることもつぐみから学べます。つぐみはお母さんから手術には、ものすごいお金がかかるといわれたとき、自分のお小遣いやほしいものもいらないから治してあげてと嘆願します。どろっぷを気遣う必死さや何度も流す涙。こうした命を尊ぶ態度に感動します。残忍な殺人事件が連日発生し、命が尊ばれなくなっている現代こそ、こうした作品が教訓になるのではないでしょうか。

はじめからおわりまで、涙がとまりません。
乾いた現代人の心にうるおいもたらすこの本をぜひお読みください。

文/ トレッサ横浜店・MH

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