459『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢』/ジョイス・キャロル・オーツ/河出書房新社/1,300円+税外部リンク 
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日本ではあまり馴染みがないが、ノーベル文学賞の候補にも挙がるアメリカ人作家ジョイス・キャロル・オーツの珠玉の短編集。

十三歳の少女ジュードが、インディアンの儀式を真似て誘拐した金髪の少女マリッサを生け贄にしようとする表題作、「とうもろこしの乙女」は正に傑作。
事件を多視点で描く事により、ありがちなミステリーに陥らず、関係者の複雑な心境を描き出す事に成功している。
誘拐犯のジュードの狂気、マリッサの母親の不安と疑念、容疑者に仕立てられてしまう青年の恐怖。
読者は、何気ない日常がふとした瞬間に変わってしまう怖さを感じずにはいられない。


他にも、母親のお腹の中から憎しみ合って生まれてきた双子の兄弟の運命を描いた「化石の兄弟」、「タマゴテングタケ」など、どの作品も全て素晴らしく、悪夢と銘打つている所以か、どれも残酷でグロテスクだが、何処か美しい。


貴方も、この悪夢に浸ってみてはいかが。

文/ アトレ亀戸店・KY

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