双一の勝手な呪い『双一の勝手な呪い 伊藤潤二傑作集3』 伊藤潤二/朝日新聞出版/1,000円+税外部リンク 
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あるミュージシャンが大好きだという伊藤潤二さんの漫画を買ってみました。
面白かった!!!

実は子供の頃、楳図かずお先生の漫画が大好きでしたが、家の近くにあった本屋さんにはあまり揃っていなかったので、ある時、横浜の伊勢佐木町にある大きな書店まで父親に頼んで買いに行ったことがあります。
初めて行く都会の大きな書店は、多層階の大きなビルで、建物中に本が詰まっているような気がしました。
振り返ると子供の頃の記憶は不確かなもので、見上げた棚が天井まで続いていたようでした。
(※注: そんなことは、ありえません)

「あっ」
そうです。そのびっしりきっちり詰まった本棚の上の方に、さんざんと輝く私が欲しかった楳図先生の『恐怖』の背表紙が。
「あれ! あれをください!! 『恐怖』です。『恐怖』!」
そう、指をさして大きな声で叫ぶ女の子の顔を、マジかよと見つめる周りの視線とテレ笑いする父親。

そうか、もしかすると私は、ホラー漫画が実はすごく好きだったのかもしれない。
いや、きっと今でも大好きなのだと思う。

伊藤潤二さんの作品は、初読みでしたがとても面白かったです。
絵が好きです。とても懐かしい感じがします。
実は伊藤潤二さんのことは今まで知らなかったのですが、今やホラー界のスーパースター的な存在とのこと。知らなかった自分が、悔やまれます。
やはり、本屋さんには足を運んで探索しなければ、いかんな。

で、双一なのですが、貧血ぎみだからといって、いつも釘を口の中でしゃぶっているヤバいやつなのです。
(※注: 危ないので、絶対真似をしないでください)
こいつが、奇妙で暗くて面白い。
藁人形が大好きで、滑稽なくらい他人に呪いをかけたがる。

双一には、公一という兄ががいます(これがまた、次男なのに双一という名前で、その名前になったのは、家族から予言ババアと変人扱いされているおばあちゃんによるもので……このエピソードも読んでください)。
その公一が、期末試験に向けて猛勉強をしようとしているのに、それを全力で阻止しようとする双一の『四重壁の部屋』は、メチャクチャ笑えました。

ホラーですが、怖いというよりも発想がブッ飛んでいて、笑えます。
誰かが言っていた「人の心の琴線は、とても美しくかわいいものか、とんでもなくエグくてとぼけているものの間で揺れるらしい」ということも、あながち間違ってはいないのではないかと思いました。
ブラックな笑いが大好きな方に、ぜひおススメです。
 
文/ 伊勢佐木町本店・AS



『伊藤潤二傑作集1
富江(上巻)』
朝日新聞出版/1,000円+税
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『伊藤潤二傑作集2
富江(下巻)』
朝日新聞出版/1,000円+税
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