
さとうふみや・天樹征丸・金成陽三郎:原作 船津紳平:漫画・漫画原作/講談社 少年マガジンKC/429円+税


『金田一少年の事件簿』を読んだことのある人ならば、あの人間業とは思えないトリック、それは無理があるんじゃないか?と思うようなトリックをどのように実行するのだろう? と惹かれないわけがありません。
タイトルの通り、犯人の視点で物語が語られる形で、犯人の犯行に及ぶまでの準備・努力がギャグ感満載で描かれており、シリアスとギャグが融合し不思議と無茶な計画も納得させられてしまう内容です。
犯人たちの心の声によるセルフ突っ込み、狙っているかのようなフラグがいい味を出していて、原作を読んでいない方でも存分に楽しめる内容です。
難解なトリックを成功させてテンションが上がった犯人のキャラクターが壊れ気味なところなどもありますが、それもスピンオフ作品を楽しむ一要素としてそれもあり!と思えます。
内容以外にも絵も注目すべきポイントです。
初期『金田一少年の事件簿』を思い出させる絵柄とデザインに惹きつけられました。
表紙に負けず、中の絵も金田一少年テイストを残しつつ独自のコミカルな躍動感を感じさせる絵となっておりまして魅力的です。
本編『金田一少年の事件簿』とは違った犯人たちのトリックにかける努力、想いを感じられる作品です!
文/ ヨドバシAKIBA店・K.O.
