001『新九郎、奔る!』1巻/ゆうきまさみ/小学館 ビッグスピリッツコミックススペシャル/630円+税外部リンク 
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時は室町時代中期。応仁の乱の少し前。
後に小田原北条氏の祖・伊勢新九郎盛時(北条早雲)となる正義感の強い利発な少年・千代丸は、離れて暮らす父・盛定に呼ばれ、室町幕府政所執事である伯父・伊勢貞親の屋敷で暮らす事になる――。

…と語り出すとガッチガチの歴史漫画かと思われるやもしれませんが、

そんな事はありません!

『究極超人あ~る』や『機動警察パトレイバー』、そして以前このブログで紹介させて頂いた珠玉のミステリー『白暮のクロニクル』など、常に新しい世界を見せ続けて下さる ゆうきまさみ先生が描かれる人物は、
とんでもなくカッコ良くてチャーミングで、どんなに腹に一物ありげな人でさえも惹かれてやまない魅力があり、心を鷲掴みにされます。

(特に新九郎には、始まったばかりの2ページ目、見開きで惚れました!
そのページにあるたった一言で家臣に好かれているのが分かるのです! すごいです!!)


さらに!
「それが武家のリアル」「好きそうなゴシップ」などなど
今を生きる私達にひと言でニュアンスが伝わる言葉と様々な仕掛けが散りばめられ、面白いように “ストン” と頭と心に入ってくるのです。


誰が敵で誰が味方なのか。
疑心暗鬼に陥るような様々な思惑が絡み合うこの時代の、哀しくも理不尽な残酷さが読み進むにつれ色濃くなり、胸が締め付けられます。

そんなこちらの気持ちを代弁してくれるかのように、千代丸が大人達へ発するストレートすぎる言葉の数々が小気味良くもあり、
逆に何事にも道理で物を言う姿に「黙れ小童!」と言いたくなっちゃったり、
「えっそれ言っちゃうの!? ここで!?」とハラハラしたり、
まるでそこに自分がいるかのような臨場感でぐいぐいと物語に引き込まれます。

物事が起こった現場を見聞でしか知ることのできない十二歳の千代丸は、
読み手と物語を強く繋いでくれる媒介者なのだなぁと強く感じました。



今年は小田原開府500年。
来年2019年は北条早雲こと伊勢新九郎盛時の没後500年の節目となる年です。

これを機にぜひ戦国大名の先駆けであり、切り開いた男の姿をご刮目ください!

文/ 戸塚モディ店・YN

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