624『吉原百菓 ひとくちの夢』/江中みのり/KADOKAWA メディアワークス文庫/610円+税外部リンク 
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タイトルからして、いわゆる「籠の鳥の花魁さん」のお話なのね……と思っていたのに、良い意味で裏切られました。
花魁さんのお話に間違いはないのですが、太佑をはじめ調理場に出入りする若旦那、禿、ねこ、番頭、二階廻しの仁兵衛……すべての登場人物が可愛らしく温かい。
大して事件があるわけでもなく、悪人もいなければ波乱もない。
ただ、江戸の吉原にある小さな見世の菓子職人が日々お菓子を作るだけである。

なのに何度も読みたくなる。
言い回し、文章、登場人物……すべてが優しく温かいのだ(二回言いましたが)。
お菓子という、ただの娯楽のためのものを作り続けることに意味があるのか…。

お菓子を通して人と通じ、考え、葛藤し、自分なりの意味を探していく。
特に終盤、太佑が天から降ってくる砂糖を手に受け止めるシーンは、
優しく、美しく、温かいです(三回目です…すいません)。

ハラハラ、ドキドキすすようなお話ではありませんが、少し疲れた時、ちょっと嫌なことがあった時、ホッとしたい時……好きなお菓子と共にぜひご覧ください。

文/ ミウィ橋本店・CA

\ 2巻も発売中 /

『吉原百菓 ひとくちの夢』

630円+税
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