887『江戸の目明し』/増川宏一/平凡社 平凡社新書/780円+税外部リンク 
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「目明し」ってなんだか知っていますか?
江戸時代における警察官のような存在なのですが、もう少し身近でわかりやすいもので言うなら「銭形平次」です。

銭形平次は架空の人物なのですが、みなさんはどのようなイメージを連想しますか?
「正義感が強く、悪事を許さず、犯罪者を捕まえ、庶民の暮らしを守る」というイメージではないでしょうか?
それはまさに現代の警察官。
江戸時代においても目明しの役割はまさにそういうものであり、幕府から直接雇われた役人ではなかったのですが、法を守るはずの存在でした。


ところが実態は大きくかけ離れていたようです。
江戸の警察組織は江戸の人口100万に対し役人の数が極端に少なすぎ、とても市民の安全を守りきれるものではなく、それを補佐するために目明しが雇われ始めたそうです。

どういう人物が雇われたかというと、元犯罪者。
しかもこの元犯罪者、自分が捕まったときに、他人の犯罪を暴露することにより罪を減免され出所した人物。
役人からすると犯罪捜査には適しているということで雇われたのがきっかけだそうです。
仲間を売って出所してきたような人物ですから、本当に更生しているかどうかも定かではなく、そのような人物に権力を与えてしまっているので不正・犯罪が起きてもおかしくはありません。

案の定、江戸の街中では目明しによる不正・犯罪が多発し、本書ではその実態が数多く記載されております。



平和を守るはずの「銭形平次」が実はとんでもない悪だったという、ある意味真逆なストーリーになっているのですが、歴史の真実は見聞きしていたものとは全く違うことが多々あります。
本書はその中でも特にギャップの大きい1冊です。
ドラマと真実の違いを味わいたいという方におすすめの1冊になっております。

文/ アトレ亀戸店・KH

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