『星降り山荘の殺人 新装版』／倉知淳／講談社 講談社文庫／900円＋税
「やられた！」
終盤の大どんでん返しに驚いた自分が、
慌てて最初から読み直した時につぶやいた言葉がこれでした。
舞台は雪に閉ざされた山荘。
山奥にあるこの山荘を新たな観光名所にしようと集められたのは、
ＵＦＯ研究家、売れっ子女性作家にスターウォッチャーなどなど一癖も二癖もありそうな面々。
そして突然の吹雪により外界と隔絶したこの山荘で、突如発生する密室での連続殺人事件。
登場人物の誰もが怪しく見える中、誰が犯人なのかと推理しながら読み進めていくうちに、最後の最後で見事に状況がひっくり返されます。
作者によって周到に準備された伏線に、清々しいくらいに完全に騙されてしまいました。
いっそ心地よいくらいのこのどんでん返しを味わうために、
ぜひとも読んで欲しい名作です。
文／
シャポー小岩店・H・S
