597『ばあばは、だいじょうぶ』/楠章子:作 いしいつとむ:絵/童心社/1,300円+税外部リンク 
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2018年12月、同タイトルの映画がミラノ国際映画祭の外国映画部門で最優秀主演男優賞と最優秀監督賞を獲得の朗報がTVで流れた。
その時、主演の寺田心君と祖母役富士眞奈美さんのワンシーンが流れたが、そのカットだけで心が揺れた。

原作は小学生の視点で書かれた児童書。優しいタッチで描かれた絵は暖かく感じる。
小学生のつばさと家族、ばあばの話。

※ 続きはネタバレがあります ※

 
つばさは学校から帰るとばあばの部屋へ直行し、学校で出来なかったことや嫌なことを話すと「うんうん」とばあばは聞いてくれ「つばさはだいじょうぶ」「だいじょうぶ」と頭をなででくれる。
そんなばあばがつばさは大好きだった。

そんな幸せな日常だったが、ばあばは〝わすれてしまう病気〟になっていく。
大好きなばあばが少しづつ変わっていく。どうしていいかわからないつばさはばあばの部屋へだんだんと行かなくなった。

ある日ばあばが家を出たまま帰ってこない。
家族が探している間、留守番のつばさはばあばの部屋をのぞき、転がっている鉛筆をしまってあげようと引き出しを開けた。
そこには、「つばさはやさしいこ」「つばさのすきなものはおかきとみかん」「夕ごはんはもうたべた」「トイレは二かいのオク」「ごめんね」と、ばあばの書いた沢山のメモがあった。
一番辛かったのは、ばあばなんだとつばさは気付く。
帰ってきたばあばの土のついた足を泣きながら拭くつばさ。
するとばあばは「だいじょうぶだよ」と頭をなでてくれた。

児童書では深いテーマだが、家族の大切さ、人の優しさを描いている。
高齢化になっていく日本、多くの人が体験するかもしれない、まさに今がそうだという人もいるかもしれない。
この本は児童書という位置付けだが、ぜひ大人にも手に取ってもらいたい一冊。
避けては通れない問題、人として、家族として何を大切にすべきなのかを考えさせてくれる一冊になるだろう。
「だいじょうぶだよ」と言えるように。

文/ アトレ新浦安店・SE
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