161『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』/宮川サトシ/新潮社/1000円+税外部リンク 
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俳優のYさんがニュース番組で、御自分の主演映画の原作本を紹介されていた。
「えっ!遺骨を食べる?」と、とんでもない言葉がとびこんできたが、でも、内容は、最愛の母親との別れを描いたコミックエッセイでした。

人は必ず死ぬ。
そんなことは、生まれた時からわかっているはずなのに、誰もが、自分の親だけは死なないと思っている。
自分が死ぬことは想像できても、親だけは、いつまでも生きていて、自分の面倒を見続けてくれて、いつでもどこでも一番の絶対裏切らない存在だと信じている。

でも、別れはやってくるのです。
そして、うざくて面倒くさいなあと思っていた親子という関係で、どれだけ自分が守られていたのか、あのあたたかくてしあわせな時間が、もう二度と戻ってこないことに気づくのです。

映画も見たいなと思いましたが、
まずは、書籍で。


「寂しい、寂しい。お袋にもう会えないことが寂しくて仕方がない…
美味しいものを食べながら、先のことを考えながら
この寂しさは一生続くのだろうと――」


この本を読んだら、ちょっとだけ親孝行をしてみませんか?
いずれ訪れる、未来の哀しみや虚しさや寂しさの量は減らないかもしれませんが、もっと親孝行しとけばよかったと思う後悔の気持ちを、軽くすることはできるかもしれません。
孝行なんて、してもしても足りないかもしれない。
自分の親は、まだ元気だから、なんてことは言わずにぜひ。

きっと作者の宮川さんも、お母様の余命宣告は、旧い映画のスローモーションのように、何かの間違いではないかと思いながら、そこから別れの日まで、夢をみているような気持ちで過ごされたのではないかと思います。


よくある読後の感想のセリフですが、
「涙なくして、読めませんでした。」
本当に。

文/ 伊勢佐木町本店・AS

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