402『ノースライト』/横山秀夫/新潮社/1,800円+税外部リンク 
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とにかくすごい小説が誕生した。
今までの警察小説とはひと味違う、横山秀夫氏の大作である。
主人公の一級建築士・青瀬稔が会心作として信濃追分に建てた一軒の家、Y邸。
その依頼主が入居した形跡がないところから物語は始まる。
 
人の気配もなく、家具もなく、電話も通じないその家に、ポツンと一脚の椅子だけが残されている。
伝説の建築家、ブルーノ・タウトの椅子。
 
ここまでで読者の心はわしづかみにされているはずだ。


読みはじめてすぐ、著者の文章力にあらためて驚かされる。
山の中の風景の描写、鳥の鳴き声の表現、自分がその場にいるかのような錯覚に陥る。
また、登場人物の感情の描写、心の機微の表現もすばらしい。
 
殺人事件が起こるわけではないが、謎が謎を呼び、先が気になる。
私が言うのも大変おこがましく失礼な話だが、横山氏は作品を重ねるごとに繊細さが増しており、読後の感動もひとしおである。

そして謎が明かされる最後の数十ページは涙が出てしかたなかった。
 
久しぶりに出会った超大作、超傑作である。
多くの方に読んでいただきたい一冊。

文/ ルミネ横浜店・K.O.

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