518オスマン帝国 繁栄と衰亡の600年史』/小笠原弘幸/中央公論新社 中公新書/900円+税外部リンク 
有隣堂の在庫を探す
オスマン帝国というより、オスマン・トルコ帝国という名前の方が私にはなじみがあるのですが、この帝国がローマ帝国から続いたビザンツ帝国を滅ぼし、地中海世界に君臨した巨大帝国であることは皆さんご存知のことと思います。
ですが、オスマン帝国がいかに中央集権化を図り巨大帝国となっていったかを知ると驚かないではいられませんでした。
オスマンの皇帝は即位すると、内乱等を防ぎ自分から帝位を奪われないように、自分の兄弟たちを殺していたそうです。
ある皇帝の即位のときには、兄が即位すると自分たちがどうなるかも知らない19人もの幼い弟たちが祝辞を述べるのを聴き、そのあと殺さなければならなかったという悲劇も。

また帝国の成立期は、まだ皇帝に近しい者たちが宰相などになり、政治を行っていたのですが、ある時から、「イエニチェリ」同様に集められた奴隷身分の子どもたちのなかから、より優れた子供を皇帝のそばに置き、教育を施し優秀な人材に育て上げました。
江戸幕府でも小姓から側用人になって権力を握った人がいたかと思いますが、これとよく似ています。
 
ですが、ちょっと違うのは、イスラムでは皇帝であっても自由身分のムスリムを勝手に殺すことはできなかったそうです。
なので有力な豪族や親族を遠ざけ、次第に皇帝の周りで育てられた人材を奴隷身分のまま宰相などの役職に就け、いつでもその命は皇帝の意のままにできるようにしていたそうです。
こうして中央集権が図られたというのは目から鱗でした。

「歴史は面白い」と思わずにはいられない本でした。
ぜひ、興味を持たれましたら、店頭で手にとってみてください。

文/ セレオ八王子店・YH
 
初刷の修正箇所については、こちらをご参照くださいませ。
>> 小笠原弘幸『オスマン帝国―繁栄と衰亡の600年史』(中公新書、2018年)再版での修正箇所について
2014/2/28以前の記事は、5%税込の商品価格を表示しています。
本体価格(税抜価格)はリンク先のHonyaClub、在庫検索などでご確認ください。
----------