105プリズナートレーニング 超絶!グリップ&関節編
永遠の強さを手に入れる最凶の自重筋トレ』
ポール・ウェイド:著 山田雅久:訳/CCCメディアハウス/2000円+税
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筋トレの本である。
昨今はダイエットや長寿のための筋トレの本も月に何冊となく発刊されている。
世に筋トレの本は山のようにある。

しかし本書のように自分の体重のみ(“自重”といいます)を使ったトレーニングに特化して書かれた本はあまりない(ないわけではない)。
略歴によると、著者は長い間収監されていた囚人だったそうだ。
その彼が監獄の中でトレーニングに目覚めた。
監獄という特殊な環境。自重を使う以外トレーニングの方法がないのである。
その中で彼はひたすらに研究を重ね、自らにも過剰なトレーニングを施し超人的な身体を手に入れた。
 
その数々のトレーニングの中でも強度の高いものが本書では紹介されている。
おそらく普段身体を動かさない人にとって本書で紹介されているトレーニングなどほぼ出来ない。
動かしている人でもどこまで出来るのか心許ないものばかりだ。

しかし本書の後編「監房棟Gで学んだ知恵」の章をまず読んでいただきたい。
こここそ著者のトレーニングに対する哲学が大いに語られているところではないかと思う。
そして何よりこここそ他の筋トレ本とは一線を画する点なのだ。

きついトレーニングを行っていくには何より考え方、哲学が大切だと思う。
しかし、世の大半のトレーニング本でこういったことが説かれることはほぼない。
身体を鍛えるためには何より強固な精神力が要求される。
しかし何もはじめる時からそういった強い精神力を持ち合わせている必要はない。
何より本書の著者が、そもそも収監されるような弱い人間なのだ。著者も“強き精神の無き者ははじめからお断り”などいう口調では書いていない。というよりそんな資格が著者にそもそもあろうはずがない。
しかしこの章で語られていることを読んでいけば徐々に熱い気持ちになり、トレーニングに向けて自己を律したくなる筈だ。

文/ 武蔵小杉東急スクエア店・SM
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