岩田9784065105863『ブルーピリオド』1巻/山口つばさ/講談社 アフタヌーンKC/630円+税外部リンク 
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いつも周りには友達がいて、何でもそつなくこなす男子高校生の主人公。
彼が、全く知識のない「絵」の道に魅了され、藝大への現役合格を目指し悪戦苦闘しつつ、情熱を燃やす姿を描いた受験漫画です。

「絵」を描くという事がどういうことなのか?
美術館に飾ってある「絵」は何を思って描かれたの?
芸術とは何か、デッサンって何?
藝大の受験勉強って何をするの?
自分がこの「絵」を描いたのは何故?……
この漫画の登場人物達は様々な疑問を浮かべては、それに正面から向き合い、自分自身を見直し、周りの人から助けを得ながら、前へ進んでいきます。

作品内で大事件がおこることはありませんし、派手なバトルや強大な悪はいません。
受験を控えた学生の日常が描かれているだけです。

「絵」や「芸術」「藝大受験」は多くの人にとって身近ものではありません。
学校教育の年齢を過ぎてしまうと、絵を描く機会がなくなる人も多いと思います……。
しかしそれは、とても勿体無いことではないかと、この漫画を読むと感じるのです。


主人公自体、元々は絵や芸術に全く関心のない男子高校生です。
その彼が絵に惹かれはじめ、技術を学んでいく過程がこの漫画を読んでいる私たちの立ち位置に近く、主人公と同じ目線で漫画を楽しむことができます。
彼の感情の揺れも、ダイレクトに入ってきます。

また、比較的常識人な主人公とは逆に他の登場人物は皆個性的なキャラクターばかりです。
個性的なだけではなく彼らもまた受験や絵に対して真摯に向き合い成長していきます。
そこがとても魅力的で、キャラクター1人1人に愛着が湧き、応援したくなります。


文/ シャポー小岩店・IY

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