020『夢見る帝国図書館』/中島京子/文藝春秋/1,850円+税外部リンク 
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当たり前のように存在し、当たりまえのように利用していると、人はそれを当然だと思う。

しかし福沢諭吉さんが「ビブリオテーキがないと近代国家とは言えない」との発言をしたところから、図書館が当たり前の存在となる歴史が作りだされたのだ。
物語は、主人公が小説家になる前に、上野で知り合った喜和子さんというおばあちゃんと、詩や小説の話で絆を深めていくところから始まる。

喜和子さんは主人公に、図書館の小説をいつか書いてね、と言いながら、くるくるといろんな話をする。
夢見るように、上野の山・戦後の孤児・子ども時代の記憶など……。
頁を繰ると、国会図書館建設の話になり、また頁を繰ると喜和子さんの話に戻る。
いつのまにか二重の小説を読んでいることに気付く。

現在の上野の山からは想像も出来ない人々の生活や苦しみが、そこにはあった事実を知り、猛省させられた。
当たり前の幸せは当たり前ではない。
それを考えるきっかけを与えてくれた、夢見る喜和子さんに、私も会いたくなりました。

文/ ららぽーと海老名店・A.T

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