824『さがしもの』/角田光代/新潮社 新潮文庫/490円+税外部リンク 
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「さがしもの」というタイトルから、一体なにを探すのだろうと手に取った一冊。

いくつかの物語が収められています。
(旅する本)
海外旅行が好きな主人公。
向かう海外の先々にある古本屋で、以前日本ではじめて売ったあの本に幾度となく出くわす。

(誰か)
タイの小島。バンガローの食堂で見つけた日本の書物。
旧友に偶然会ったような気持ちになり、持ち込んだ日本人を思い浮かべる。

(手紙)
伊豆の旅館。部屋のTV台の引き出しにはアメリカ詩人の日本旅記録を綴った詩集が。
差し込まれた薄っぺらい封筒……。

(彼と私の本棚)
彼が「自分の本棚みたい」とつぶやく。
多種類でバラバラの好みまでもがそっくりだった。

(引き出しの奥)
「伝説の古本」
とくに面白くないただの本。
裏表紙に書き込みがびっしりと。某大学周辺を回っている。

(ミツザワ書店)
文芸雑誌新人賞の男性が生まれ育った、商店街の外れにある。
店主のおばさんはいつも売り物を読みふけっている。
男性はある事をしてしまう。

(さがしもの)
病床のおばあちゃんに頼まれた本を探し、奔走する少女。
手にする前に逝ってしまったが、少女は探し続ける。

その他数話が綴られ、共感、懐かしさ……。心穏やかに読めます。
あとがきに有隣堂が書かれ、すごく偶然でした!!

文/ シャポー小岩店・YF
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