外来種『外来種は本当に悪者か?』/フレッド・ピアス:著 藤井留美:訳/草思社文庫/980円+税外部リンク 
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外来種。
私は興味があり、外来種を特集しているTVをよく見ます。
この本に出会ったときタイトルをよく読まず、きっと凶悪な外来種はこいつらだ!なんていう本だと思って購入してしまいました。

冒頭で、とある火山島の話が出てきます。
そこは人間が持ち込んだ外来種で動物も植物も構成され、生態系が出来上がっているというのです。
しかも不毛の台地に森ができ、そのおかげで海からの水蒸気が雲となり雨まで降らせているそうです。
最近では人間の移動の結果、千葉県で名物になったホンビノス貝のように遠くからやって来て、今では私たちの食卓に欠かせない食材になっているものもいます。

この本は、手つかずの自然というのはほんの一握りで、多くの場所で、あのアマゾンですら人の移住により、人が自然に手を加え生活してきたと語ります。
人がその場所を放棄すると、その場所で動植物が繁栄し、淘汰され、一見すると大自然に戻ってしまいますが、そこには人と一緒に暮らしてきた動植物なども混ざっており、それはすでに本来の手つかずの自然とは違うものになっているというのです。

また、人間が破壊したり、汚染した環境を改善するために、人によって持ち込まれた外来種がその土地で予想外に大繁殖したことで、結果、その土地では勝手に悪者にされてしまった例もあるそうです。

もし人が汚染した土地で、「ある特定の外来種だけ」しか生息できないとしたら、その生き物は悪者となるのか。
それが他の地域では希少な生物だったらどうなるのかなど、私たち自身が自分の周りの自然とどのように関わるべきかをちゃんと考えなければならないと感じさせる1冊です。

文/ セレオ八王子店・YH
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