677『しずかな日々』/椰月美智子/講談社 講談社文庫/495円+税外部リンク 
有隣堂の在庫を探す

誰にでもある夏休みの思い出をもう一度体験させてくれるような小説。

主人公は小学5年生の内気な男の子、枝田光輝。
クラスメートの押野と親友になった頃、母親に引越しを告げられる。
「転校だけはしたくない」と、近くの祖父と暮らすことにした光輝が押野らと夏を過ごす、というストーリー。
私の子どもの頃の夏休みは……田舎の祖母の家は茅葺き屋根で、家の前は田んぼ。
近くの沢でカニを捕まえたり、田んぼの用水路でイモリを捕まえたりして遊んだなあ。
手作りのよもぎ餅を食べて、夜は五右衛門風呂に入って……なんて、自分の子どもの頃の夏休みまで鮮やかに思い出させてくれた。

急展開はない。が、祖父の漬け物を食べたり、ツクツクボウシの真似をしたり、光輝たちの無邪気さを優しく描いている。
少年の過ごす夏の情景が美しく描かれている。


「人生は劇的ではないと思う」と大人になった光輝が語る。
平凡な日常こそが大切なもの。
あの頃の優しく流れた日々が今の自分を支えているのかもしれない。
読み終えて、今を大切にしようと思える1冊。

文/ ららぽーと湘南平塚店・MN

2014/2/28以前の記事は、5%税込の商品価格を表示しています。
本体価格(税抜価格)はリンク先のHonyaClub、在庫検索などでご確認ください。
----------