『ピクニック・アット・ハンギングロック』/ジョーン・リンジー:著 井上里:訳/東京創元社 創元推理文庫/1,000円+税
20世紀初頭、オーストラリアの女子寄宿学校でピクニックに出かけた女子生徒4人と女性教師1人が、何かに導かれるように岩山(ハンギングロック)に登ったまま忽然と姿を消してしまう……
20世紀初頭、オーストラリアの女子寄宿学校でピクニックに出かけた女子生徒4人と女性教師1人が、何かに導かれるように岩山(ハンギングロック)に登ったまま忽然と姿を消してしまう……
その夜から捜索が始まるも手がかりがつかめず、そんな中、一人の生徒が泣き叫びながら岩山から戻ってくるが、何があったか生徒も全く思い出せずに時だけが過ぎていく。
そしてこの事件を契機に、学校、生徒の家族たちの人生の歯車が狂い始める。
1975年にオーストラリアで映画化され、日本での公開は1986年。
今ではカルト的な作品として知られている作品の原作がようやく2018年末に発売されました。
日本公開当時は実際にあった事件の映画化という触れ込みで話題になりましたが、後に著者の創作(フィクション)だったということが判明しました。
しかし読んでいく内に実は本当にあった事ではないかと思うくらい、神秘的で幻想的な文章で迫ってきます。
私も当時、流行りの単館ロードショーということで鑑賞しましたが、
今でも映像の美しさ、そして出演者たちの可憐さが忘れられない映画の一本です。
原作と映画どちらも甲乙つけがたい稀有な作品だと思います。
文/ 藤沢店・KM