『南洋通信 増補新版』/中島敦/中央公論新社 中公文庫/900円+税
『南洋通信』には、前半に南洋を題材にした小品「南島譚」「環礁」と、
後半に南洋赴任中に南洋群島(ミクロネシア)から妻子に宛てて綴られた書簡が収録されている。
『南洋通信』には、前半に南洋を題材にした小品「南島譚」「環礁」と、
後半に南洋赴任中に南洋群島(ミクロネシア)から妻子に宛てて綴られた書簡が収録されている。
33歳で夭逝した中島敦は亡くなる1年半前の昭和16年6月から17年3月の間、南洋パラオに赴任している。
彼の作品を読むとその才能と若くして亡くなったことを惜しまずにはいられず、つい感傷に浸ってしまいがちだが、
それは一旦わきに置いておいて、このみずみずしく簡潔で美しい文章を楽しみたい。
小品はどれも南洋の熱い空気と海に照り返す日の光、青青とした緑の濃さがその場を覗いているかのように浮かぶ。
妻子への手紙は父としての子煩悩ぶりが窺えて好きだ。
教科書の印象とはまた違った中島敦に出会えると思う。
風と光を感じに、ぜひ頁をめくってみて下さい。
文/ 戸塚モディ店・NA
彼の作品を読むとその才能と若くして亡くなったことを惜しまずにはいられず、つい感傷に浸ってしまいがちだが、
それは一旦わきに置いておいて、このみずみずしく簡潔で美しい文章を楽しみたい。
小品はどれも南洋の熱い空気と海に照り返す日の光、青青とした緑の濃さがその場を覗いているかのように浮かぶ。
妻子への手紙は父としての子煩悩ぶりが窺えて好きだ。
教科書の印象とはまた違った中島敦に出会えると思う。
風と光を感じに、ぜひ頁をめくってみて下さい。
文/ 戸塚モディ店・NA