『カラスのジョンソン』/ドリアン助川/ポプラ社 ポプラ文庫/660円+税
「カァ!」
街を闊歩するたくさんの黒い鳥。
彼らを見て、あなたは何を思うでしょうか。
迷惑? ちょっと怖い? 賢くてかわいい?
3つめに共感できる方とは気が合いそうです。
しかし残念ながら、我々は少数派です。
物語の狼のように、世間ではカラスは嫌われ者です。
「カァ!」
街を闊歩するたくさんの黒い鳥。
彼らを見て、あなたは何を思うでしょうか。
迷惑? ちょっと怖い? 賢くてかわいい?
3つめに共感できる方とは気が合いそうです。
しかし残念ながら、我々は少数派です。
物語の狼のように、世間ではカラスは嫌われ者です。
本書の主人公は小学生の陽一と、幼いカラスの「ジョンソン」。
傷ついたジョンソンは陽一が母と暮らす団地で次第に元気を取り戻します。
しかしやがて「嫌われもの」に手を差しのべることを許さない人間たちによって、二人は追いつめられていきます。
この物語の一番の魅力は、リズミカルに入れ替わる人間とジョンソン、2つの異なる視点です。
カラス目線の淡々とした語りや一つ一つの言葉の選び方から、彼らの哲学が感じ取れて彼らの見る世界が見事に表現されています。
私たちのすぐそばにある小さな命の強さ、儚さ、そして愛おしさ……。
聞き逃してしまいがちな彼らの声に気付かせてくれる珠玉の一冊です。
読み終わって、次に彼らを見かけた時、あなたは何を思うでしょうか?
文/ アトレ川崎店・WN
傷ついたジョンソンは陽一が母と暮らす団地で次第に元気を取り戻します。
しかしやがて「嫌われもの」に手を差しのべることを許さない人間たちによって、二人は追いつめられていきます。
この物語の一番の魅力は、リズミカルに入れ替わる人間とジョンソン、2つの異なる視点です。
カラス目線の淡々とした語りや一つ一つの言葉の選び方から、彼らの哲学が感じ取れて彼らの見る世界が見事に表現されています。
私たちのすぐそばにある小さな命の強さ、儚さ、そして愛おしさ……。
聞き逃してしまいがちな彼らの声に気付かせてくれる珠玉の一冊です。
読み終わって、次に彼らを見かけた時、あなたは何を思うでしょうか?
文/ アトレ川崎店・WN