881『僕の人生には事件が起きない』/岩井勇気/新潮社/1,200円+税外部リンク 
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岩井? 誰だろう? ハライチ? なんとなく澤部のことは、うっすら思い浮かべることはできるが、岩井……あっ、でも、この人、スピッツの特集番組に出ていた! そうそう、スピッツ大好きお笑い芸人ですよね。確か。

出版された時(2019年9月25日)には、あれよあれよと売れ、芸人というか、芸能人が書いた本にしては勢いがあるなあと思っていました。でも、その時は読まず。
が、どうも面白いらしい。

職業柄、いろいろな本に触れるし、まあ、一般レベルよりも多少は本を読むかなと自負している私は、そう簡単には本を読んで笑い転げない。というか、橋が転がってもおかしいと思う年頃は、とうの昔に通りすぎているからだ。
その後も続々いろいろな芸能人の本が出たが、もしかしたら、今、芸能人本ブーム再到来?と思って、いろいろ多めに注文をしてみたが、この本ほど飛び跳ねない。
やはり、この本だけが、面白いのだろう。

そう思っているうちに、スピッツのK氏が某ラジオ番組でお薦め、ファンクラブ会報までにも、この本は面白かったと豪語する。
なら、読まなくてはと思い切って購入してみた。

面白い。
笑えた。
タイトル通りに大きな事件は、起こらない。そして、岩井自体が、まあ幸せな埼玉の中流の上くらいの家庭で何不自由なく育ち、芸人になってからもたいした下積み生活もせずにとんとん拍子とまではいかないが、まあ、とんととんくらいのいい調子で売れっ子になった。
だから、全然波乱万丈な人生ではないのだ。

でも、岩井の日常には、いろいろな事件が起こる。
それは、ショッピングモールでの迷路事件だったり(預けた抹茶団子が消えたのも笑えた)、ファミレスでのハンバーグ事件だったり、組み立て式の棚やあんかけラーメンの汁だったり、本当にこの人の周りでいろいろなことが起こり、それをうまく面白く受け止める感性がずば抜けているのである。

岩井に言わせるとそれは普通に生活している日常を面白がっているだけなのだそうだが、いやあ、なかなかどうして、ここまで笑わせてくれる人はなかなかいない。
そういう意味でもやはりプロのお笑い芸人さんなのだなあと感じる。

ハードルをグンと上げて、次作のエッセイにもついつい期待。もっとたくさん書いてほしいと思う。
本当に面白かった!

文/ 藤沢店・AS
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