576『遅いインターネット』 NewsPicks Book/宇野常寛/幻冬社/1600円+税外部リンク 
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いま必要なのはもっと〈遅い〉インターネットだ。

これはおそらくインターネットの本ではなく、ミレニアム世代に向けたこれからの時代を生きるため参考書だ。


まずオリンピック破壊計画という刺激的な序章から始まるこの本。
無策で空虚な茶番としてのオリンピックへの提言。

また2016年の敗北、トランプ当選から現在の民主主義のあり方について考える。
グローバルな経済がローカルな政治を凌駕し、民主主義がグローバル市場を統制する術を持たない。この社会システムの機能不全こそが、いま私たちが直面している問題なのであると。

さらに吉本隆明の再考も。21世紀の共同幻想論として、吉本の三幻想が今日のインターネットサービスを構成する三要素と合致すると考える。


インターネットは世の中の「速度」を決定的に上げた。
しかしその弊害がさまざまな場面で現出している。
世界の分断、排外主義の台頭、そしてポピュリズムによる民主主義の暴走は、「速すぎるインターネット」がもたらすそれの典型例だ。
「遅いインターネット宣言」
読み進めていってもこの本には答えは無い。
著者は述べる、“この本は一緒に走りながら考えてもらうための一冊だ”。
あらかじめわかっていることを確認して安心するための本ではなく、手探りで、迷いながら考える本だ。
そしてこの国を、いやこの世界を覆う目に見えない壁を破壊する言葉を手に入れること。
これがこの本の目的だ。


この本自体、コロナ禍以前に出版されてはいるが、引き続き一緒に走りながら考えて行けると思わせてくれる。
ミレニアム世代にはぜひおすすめしたい。



文/ シャポー小岩店・J.I

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