hanzai『犯罪小説集』/吉田修一/角川書店/1500円+税外部リンク 
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親戚が集まれば、その中に一人はいそうな人が犯している犯罪……誰かがこの本の感想でそう語っていたが、その言葉に共感した。

5つの犯罪、5編の中編小説から成っている。そのそれぞれの主人公が、自分の身近にいても不思議ではないような人たちだ。
東南アジアから来た女性の連れ子もいれば、ふつうの農家の娘、帝王学を教えこまれた会社経営者の息子、家族の応援で1度は夢をかなえたスポーツ選手もいる。

彼らはなぜ犯罪に至ったのか。
何に追われ、何に流され、どこでボタンをかけ違い、踏み外し、墜ちたのか。 [ 続きを読む ]