302『死者を弔うということ』/サラ・マレー:著 椰野みさと:訳/草思社 草思社文庫/1,300円+税外部リンク 
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たいして信仰心もなく葬式へのこだわりもないので、自分の事に限ればお墓もいらないしいっそ一通りの葬儀も不要――と考えている人、世の中にわりといるんじゃないだろうか。
私がそうだ。

本書の著者も現代的都会人らしく宗教にも魂にも縁薄く生きてきたが、断固とした無神論者で儀礼的なことを好まず死後の肉体はただの「有機物」と言ってはばからない父親が病没したことをきっかけに、世界の様々な葬送の現場を訪ねることを決心する。 [ 続きを読む ]