2012/10/6(土)有隣堂ヨドバシAKIBA店にて
ヤマザキマリ先生のサイン会を開催いたしました!
古代ローマ帝国の設計技師ルシウスさんが現代日本の銭湯にタイムスリップする奇想天外なストーリーで、映画・アニメと空前の大ブームを巻き起こし中の『テルマエ・ロマエ』!
第1巻の累積売上全国ナンバー1!の実績を誇る有隣堂ヨドバシAKIBA店から、大盛り上がりのサイン会レポート&インタビューをお届け致します。
サイン会レポート
奥村編集長も真剣に見守って?います
サイン会を終えて、ヤマザキ先生に突撃インタビュー!
担当編集者でありコミックビームの編集長でもある奥村編集長を交え、作品についていろいろと伺ってみました。
――本日はサイン会ありがとうございました!お疲れ様でした! 『テルマエ・ロマエ』では初のサイン会、いかがでしたでしょうか?
ヤマザキ先生: ルシウスを描くのが早くなりましたね(笑)。
いろんなファンの方とお目にかかれて嬉しかったです。お爺ちゃん・お婆ちゃん・ご家族で楽しんで頂けているご家族やご夫婦。ローマ好きな方、銭湯を経営している方、いろんな方とお話しできて楽しかったです。
リクエストが多かったキャラはハナコとさつきでしたね。ハナコの人気にびっくりです。
――そもそも何故「コミックビーム」で連載が始まる事になったんですか?
ヤマザキ先生: 三宅乱丈先生と、2人が漫画家でデビューするずっと前から友達だったんですね。三宅さんにこんな漫画描いたんだけどって「テルマエ」の原稿を見せたら、三宅さんが「私が描いている漫画雑誌すっごく変なところだけどもしかしたら載せてくれるかもしれないよ」って「コミックビーム」を紹介してくれたんです。
それがきっかけですね。
――編集長は最初にご覧になってどうでしたか?
奥村編集長: すっごいおもろかった! こんな風呂好きがいるんや~? 「風呂のためなら死ねる~」ぐらいの勢いで手間かけて風呂シーン描いとったんで、なんじゃこりゃ? なんやこいつ? おもろい! って載せたんです。
ヤマザキ先生: 1回の読み切りのつもりで載せたのが、奥村さんが「続き読みたい。もっとやろうや!」っておっしゃって不定期連載になったわけです。
奥村編集長: 俺も風呂好き・歴史好きだし、ただおもろいと思ったから連載を決めたんだよ。売ろうとかヒットさせようなんてまったく考えてなかった。
――『テルマエ・ロマエ』は風呂がテーマという事で、温泉町や芸者体験など様々な取材をなさっていらっしゃいますね。印象深かった取材やエピソードがございましたら教えて下さい。
ヤマザキ先生: いろんな取材をしましたよ~。芸者の取材は「芸者描くなら芸者の気持ちがわかった方がええねん!」って奥村さんにゴリ押しされて、やりたくなかったけどやったんですよ(笑)。
暑い中、汗ダラダラかいてカツラ被って一夜漬けで習って翌朝20名ぐらいの客の前で踊りましたからね。奥村さんに芸者名もらいましたよ。イタリア娘って(笑)。
奥村編集長: いやぁ芸者体験はごっつおもろかったぁ~。まさかホントにやりよるとはって。うわ~客の前で踊っとるがなって(笑)。イタリアの風呂の遺跡の取材もおもろかったな~朝から晩まで風呂風呂! って感じで。
「テルマエ」の最後の舞台になる「バイアエ」も行ったんだけど、恐るべき広さの遺跡なんだけど滅多に人も来ないような所なんよ。
だだっ広い遺跡に暇そうなイギリス人1組と俺らしかいないのよ。そんな中、俺らは「ここは何風呂だったのかな?かっこええ~」とか言いながら、めちゃめちゃ興奮しながら歩き回って。ほんまおもろかった。
ヤマザキ先生: 最初に奥村編集長と打ち合わせをした時もすごかったですよ。ほぼ初対面ですよ。奥村さんがいきなり風呂行こうってラクーアに行って風呂入って焼肉食べながら「次のテルマエどうする?」って打ち合わせですよ。
風呂の支度なんてまったくして来なかったのにいきなりですからね。びっくりしたけど「ラクーア」って何?って行ってみたくなったのもホントですが(笑)。
奥村編集長: あの時も風呂のこと語ったな~。クラゲ眺めながら「ええな~クラゲ癒されるな~」って言いながら。まぁ、そのお陰で1巻のあのクラゲのシーンが出来上がったわけですわ。
ヤマザキ先生: 奥村編集長と仕事していると「早く描きたい! おもろい話描いて笑かせたい!」って思っちゃうんですよね。描かなくてはいけないなんて思った事ないですよ。
――『テルマエ・ロマエ』もいよいよクライマックスに向けて気になる展開になってきました。ずばり今後の見どころをお聞かせ下さい!
ヤマザキ先生: 全部見どころと思って下さい。最初から終わるならこんな感じって構想は出来上がっています。
考えていた事、決めていた事をひとつひとつ形にして、今までやっていなかった事を全部描いていきますので楽しみにしていてください。最初から長く描くつもりはなかったのでスパっと終わらせるつもりです。
――今後はどんな作品を描いてみたいと考えていらっしゃいますか?
ヤマザキ先生: 古代ローマについて本格的に描いてみたいですね。
ギャグ漫画はそうそう描けるものではないと思っています。今回「テルマエ」は漫画である事もあり、作品の趣旨に合わせてギャグと「ローマ」を取り入れていますが、「古代ローマ」だけに特化した本格的な作品を描いてみたいですね。
――最近読んだ漫画や書籍で面白かった作品はございますか?
ヤマザキ先生: 普段は小説を読むことが多いのですが、最近読んだ漫画ではとり・みき先生の『遠くへいきたい』を読んで、セリフも何もない世界なんですが、すごいな~と感動しました。
――最後に、ファンの方へメッセージをお願いします。
ヤマザキ先生: ここまでこれたのは読んでくださったファンの方に支えれているんだなと感謝しています。日本の風呂や古代ローマの素晴らしさを伝えていければと思っています。
もうひと頑張りしますので、応援よろしくお願い致します!
――ヤマザキ先生、奥村編集長、ありがとうございました!
* * *
好奇心旺盛で聡明なヤマザキ先生と漫画業界の異才・奥村編集長との会話は本当に面白くて、いつまでも聞いていたいほどでした。
『テルマエ・ロマエ』は「月刊コミックビーム」にて連載中です。
漫画読みのための熱い漫画雑誌「月刊コミックビーム」を是非読んでみてください!
インタビュー/有隣堂・徳永
関連書籍もあわせてどうぞ!
~エンターブレイン刊・『テルマエ・ロマエ』の世界~