

物語の冒頭からいきなり涙が出た。
学校でひどいいじめにあってから、4年間家にずっと引きこもって暮らしている主人公・麻生人生。家の中でも一緒に暮らす母親とはほとんど顔を合わせずにいた。しかし突然の母親の失踪で一人ぼっちにされるのだ。
途方に暮れているところに見つけた1通の年賀状。
それはしばらく会っていなかった、小さいころから大好きだったマーサばあちゃんからのものだった。それを頼りに長野県の蓼科に暮らすばあちゃんの元へ……。ここで感動の再会となると思いきや、なんとばあちゃんは認知症を患っていた。大好きな人に自分のことを全て忘れられてしまう悲しさは、計り知れないショックを受けるだろう。
認知症で毎日目が覚めると自分の孫の顔忘れてしまうマーサばあちゃん。それでも人生のことをいつも優しく温かく見守ってくれるのだ。ばあちゃんはもちろん、居候していたもう一人の孫のつぐみとの出会いや、蓼科に暮らす人びととのふれあいの中で次第に人生の中で何かが変わっていく。
まるで死んだように、何も考えず毎日をただ食べて寝ていただけの生活が一変し、1日1日「生きている」ことを実感するようになっていく人生の様子が愛おしかった。まるで自分がマーサばあちゃんになったような、ずっと見守ってあげたい気持ちになった。そして蓼科の人びとの心の温かさにじんわりした。
ばあちゃんが大切にしている田んぼでの一切機械を使わない米作りはとても興味深い。人生とつぐみが奮闘して最後に立派な稲に成長していく場面は涙なしには読めない。失踪した母親は一体どうなったのかも気になるところ。
米作りって素晴らしい!!
文/
新百合ヶ丘エルミロード店・TS
それはしばらく会っていなかった、小さいころから大好きだったマーサばあちゃんからのものだった。それを頼りに長野県の蓼科に暮らすばあちゃんの元へ……。ここで感動の再会となると思いきや、なんとばあちゃんは認知症を患っていた。大好きな人に自分のことを全て忘れられてしまう悲しさは、計り知れないショックを受けるだろう。
認知症で毎日目が覚めると自分の孫の顔忘れてしまうマーサばあちゃん。それでも人生のことをいつも優しく温かく見守ってくれるのだ。ばあちゃんはもちろん、居候していたもう一人の孫のつぐみとの出会いや、蓼科に暮らす人びととのふれあいの中で次第に人生の中で何かが変わっていく。
まるで死んだように、何も考えず毎日をただ食べて寝ていただけの生活が一変し、1日1日「生きている」ことを実感するようになっていく人生の様子が愛おしかった。まるで自分がマーサばあちゃんになったような、ずっと見守ってあげたい気持ちになった。そして蓼科の人びとの心の温かさにじんわりした。
ばあちゃんが大切にしている田んぼでの一切機械を使わない米作りはとても興味深い。人生とつぐみが奮闘して最後に立派な稲に成長していく場面は涙なしには読めない。失踪した母親は一体どうなったのかも気になるところ。
米作りって素晴らしい!!
文/

