

「天の海に雲の波立ち月の舟 星の林に漕ぎ隠る見ゆ」 人は万葉の時代から銀河の星星を見て様々な想いを抱いてきた。時を経て、現代のコンピュータシミュレーション技術は、私たちに誰も見たことがない宇宙を見せてくれる。
はじめて『宇宙の地図』を開いたとき、私はもう一人の自分を感じる奇妙な錯覚に陥った。それは、本書の特徴である「Powers of Ten」の手法により、地球から10万光年離れたところから天の川銀河を眺めたり、137億光年先の「宇宙の地平線」を見ることができたからであろう。最新の観測データが創造した宇宙から、小さな自分を考えてみることも面白い。
また、子どもたちも楽しめるようにやさしい解説がついている。ぜひ、ご家族で楽しんでいただきたい。 より詳細な宇宙を体験したい方には、姉妹本 『4次元デジタル宇宙紀行Mitaka
』講談社ブルーバックス(5%税込1575円)をお奨めする。
文/スタッフ部門・SS
