


普段コミックを読まない私ですが、通りがかりに余りにもお恥ずかしい表紙が目に飛び込んできたかと思うと、
「さぁ、買いなさい」
との悪魔の囁きに誘われるままに、気付いたら中学時代にタイムスリップ!
悶々としていたあの頃の歪んだエネルギーを呼び起こしてしまったのです。
これは、知らぬ間に枠の中に納まっていることで自家中毒を起こしている全てのみなしごたちへ捧げる青春哀歌です。
冷酷な性悪女VS 気弱な文学少年VS優等生美女
という構図は目新しくはないでしょうが、強烈な自我に目覚めながらも煮え切らない態度しか示せない草食男子へ、不敵な魅力を放つ黒豹女子が容赦のない横槍を食らわせる姿に目が釘付けです。
でもって、決め台詞「クソムシ」が、一度付いたらなかなか取れない凄まじい臭いを発するカメムシを連想させて、絶妙な響きが谺します。
こんな本をいい歳した大人が読んでいることがバレて
「中二病だろ」と嘲笑われたら、こう返しましょう。
「成人病よりはマシじゃね?」
文/スタッフ部門・KH
