606『文房具 56話』/ちくま文庫/串田孫一/筑摩書房/714円(5%税込)詳細
文具の販売に携わってもう30年、その間いろいろな文房具を扱ってまいりました。また、勉強もして文房具には愛着をもって接してきました。
そんな私が、文房具のことを書いた読み物で本当に面白いと思ったのは、この本でした。今、文房具はチョットしたブームで、テレビや雑誌等でもよく取り上げられ、文房具愛好家が勧める文房具を紹介した本が多数出版されていますが、その先駆け的な読み物だと思っています。
本書は56種類の文房具についての著者の思い出や感想が綴られています。それぞれに著者の愛着が感じられ、文房具好きは思わず頷いてしまう文章がいたるところに登場します。特に私が面白いと思ったのは、ノートを“帳面”と拘りを持って表記し、特に縦罫の帳面が少ないことを嘆いていたことや、円を描くコンパスのことを“ぶんまわし”と表記していることなどです。思わず「うんそうだ」とか「懐かしい」などと小声を出してしまいます。
頁通りではなく、自分の好きな文房具の話から読み始めるのも面白いと思います。

文/ 伊勢佐木町本店・QT
・2021/3/31以前の記事……税別の商品価格
・2014/2/28以前の記事……5%税込の商品価格

を表示しています。
現在の税込価格はリンク先のHonyaClub・在庫検索などでご確認ください。
----------