sorryL『サド侯爵夫人/わが友ヒットラー 改版』/三島由紀夫/新潮文庫/452円(5%税込)詳細
澁澤龍彦の著作『サド侯爵の生涯詳細』に依拠して執筆された戯曲『サド侯爵夫人』。
12年もの歳月を獄中で過ごし、その有り余る空想と情熱を執筆によって昇華した燦然と輝くリベルタン、サド侯爵。
その夫に限りない献身と貞淑を守り続けてきたサド侯爵夫人。
放縦の結果、監獄に放り込まれてしまった夫に対して12年間も身を捧げて愛を語っていた夫人がなぜ、侯爵が釈放されたのちに別離を切望して、ただの一度も相まみえることを拒絶したのか。サド史の中でも一つの謎とされている。
文豪、三島由紀夫がサド侯爵夫人や、その母モントルイユ夫人等々の侯爵を取り巻く女性による対話からサドの実像をあぶり出し、上述した謎を絡めて詩的な観念を美しき抽象に彩られる、浄化された台詞によって表現している。

『サド侯爵夫人』を読む前に、澁澤龍彦著『サド侯爵の生涯』を読了しておくことが必須でありますがどちらも刺激的かつ新しい見地を示してくれること間違いなしです。
サディズムの由来となる人物のため良いイメージの作家ではないサド侯爵ですが、フランス文学史上重要な文学者の一人であり、かのボードレールやジャン・コクトーも多大な影響を受けています。
『サド侯爵の生涯』と『サド侯爵夫人』をセットに暗黒小説の扉を開いてみてはいかがでしょうか?

文/ 錦糸町テルミナ店・MY

 

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