185763-1『炎立つ』全5巻/高橋克彦/講談社文庫/第一巻680円(5%税込)詳細
少し昔の本を紹介しようと思う。
本書は著作 高橋克彦氏の陸奥三部作と言われるシリーズの第一作目に当たり、歴史的な流れでは中編に当たる。
以前、NHKの大河ドラマになっているので、ご存知の方も多いかもしれない。

物語は平安時代、現代の東北が「陸の奥」つまり陸奥と呼ばれ、そこに暮らす人々は朝廷から蝦夷と呼ばれ虐げられ搾取をされ続けていた。
しかし貧しく苦しい生活は中央への見せ掛けであり、内実は潤沢な金の産出により安倍頼時を中心に少しずつ力を蓄え、中央と対等の蝦夷の王国を作り上げようとしていた。
そしていつしか、その力は朝廷の知るところとなり、巧みな介入と圧力を受けるなかで、ついに蝦夷の力を集結し朝廷と戦う事を決意して、人々は立ち上がる。

そんな中、朝廷側の立場で蝦夷と関わりあってきた亘理の豪族である藤原経清は、頼時の子貞任との出会いの中でいつしか蝦夷と共に生き戦うことを決意する。
歴史上有名な前九年の役から後三年の役を軸に物語は進み、友情と裏切り、様々な思いが交差するなかで戦いは劇的な結末を迎える。 そして奥州藤原氏の勃興と滅亡へと物語は続く。

がんばっぺ東北。
東北人の血のなかには、蝦夷の荒ぶる魂の炎が息づいている。
1日も早い復興を祈り、本書をお読み頂きたい。

文/ 小田原ラスカ店・SS

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