282『KGBから来た男』/ハヤカワ文庫NV1282/デイヴィッド・ダフィ/早川書房/1,092円(5%税込)詳細
東西冷戦時代のスパイ小説ではないのですが、彷彿させるタイトルに魅了され読み始めた。
主人公は、旧ソ連の強制収容所(スターリン政権下でめちゃくちゃ恐ろしい)で生まれ育った元KGB諜報員ターボ。ソ連崩壊後、ニューヨークで調査員(探偵)として暮らしている彼が、誘拐された銀行家の娘の救出を引き受けたところから、ストーリーは始まる。
誘拐事件を追ううち、ニューヨークを支配するロシアンマフィアのマネーロンダリングシステムに気づき、よせばいいのにそのネタを元にマフィアと取引をする。さらに、その裏に潜んでいたロシア内部の国家的陰謀をも明らかにしようとするが・・・
ロシアンマフィア、ロシア連邦保安庁(FSB)、FBIなどと対峙する彼を、ハッキングの天才や女子大生がサポートする。組織を守ることや組織を崩壊させる輩を抹殺することが全ての側と、暗い過去を払拭し真実を追究する信念の対決は、とても読み応えがあった。
喪うものが多かったターボだが、最後に手にするものに救われる。
人間関係の設定に意外性に驚かされる長編ハードボイルドの秀作だ。

文/スタッフ部門・SS
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