『冬虫夏草』/梨木香歩/新潮社/1575円(5%税込)それは、ほんの百年すこし前のものがたり。
亡くなった友の、古い家を守り住む綿貫征四郎。
庭や近所の往還に見たり触れたりする植物。出会う小動物。樹木。雨。
どれもあたりまえの身近なものでありながら、征四郎が接すると、植物はその精となり、小動物は妖を伴い、自然現象は気となる。
これは時代か、それとも征四郎が呼び寄せるのか。
亡くなった友、高堂もときおり顔を出す。
『家守綺譚』の続編だが、『冬虫夏草』から読んでも充分楽しめ、この百年すこし前の、清澄で妖しい空気に酔うことができる。
今回の征四郎は、家守ばかりはしておらず、姿の見えなくなった愛犬・ゴローを探して、鈴鹿山中を旅する。旅の途中で出会う百年前の質実なひとびとも魅力的だ。
章がそれぞれ植物の名前で章立てされていて、知らない花が気になると、植物図鑑をひっぱり出して読んだ。
緑の匂い・花の匂い・水の匂い・山の匂い・古い家の匂い。そしてときどき河童の子供の匂いのするものがたり。
東急プラザ戸塚店・MT
有隣堂 本の店頭在庫検索 『冬虫夏草
』 『家守綺譚
』
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今回の征四郎は、家守ばかりはしておらず、姿の見えなくなった愛犬・ゴローを探して、鈴鹿山中を旅する。旅の途中で出会う百年前の質実なひとびとも魅力的だ。
章がそれぞれ植物の名前で章立てされていて、知らない花が気になると、植物図鑑をひっぱり出して読んだ。
緑の匂い・花の匂い・水の匂い・山の匂い・古い家の匂い。そしてときどき河童の子供の匂いのするものがたり。
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