778『約束の森』/沢木冬吾/角川文庫/800円+税外部リンク 
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ワンコ好きには、たまらないハードボイルド。そう、あのマクナイトが文庫本になって、戻ってきました!
元警視庁公安部特別装備部隊隊員だった奥野侑也は、かつての上司を仲介にして訪ねてきた緒方から、辺鄙な場所にあるモウテルでの仕事を紹介されます。表向きは、そこの従業員として、働きますが裏ではある秘密の任務が課せられます。
奥野は、そのモウテルの泊り客に置き去りにされたまま放置されていたドーベルマンのマクナイトと出会い、その昔警備犬のハンドラーだった頃の自分を思い出し、引き取ることにしました。
そして奥野は、緒方から周りの目を欺くために、隼人とふみという今まで会ったこともなかった若者2人と擬似家族として暮らすように指示されます。
ふみは、ある組織の幹部の娘かもしれないために、狙われることに……。

ハードボイルドらしく、やれ追跡だの、銃撃戦だの、結構キナ臭いお話なのですが、人間に捨てられ、誇りを失ったワンコのマクナイトと、妻が20年前未解決の事件に巻き込まれ、そのまま行方不明になり、残された多量の血痕からもう生きていないのではと心に深い疵を負った奥野が、こうして出会い少しづつ心を通い合わせていく。

もう、このお話に無類のワンコ好きの自分は、惹かれまくりました。
もともと、警護犬としての役割を果たすドーベルマンは、訓練とそそぐ愛情次第で、飼い主に絶対の信頼と忠誠を誓う誇り高きワンコなのです。
子供のころ、コミック『ドーベルマン刑事』やTVドラマ『刑事犬カール』に憧れ、ワンコ調教師になりたかった自分には、この本はまさにバイブル!
そうそう、人間の食べ物は変な油が多いから、ワンコにはあげてはいけないんだよ!
「ツケ」!やりたい!やりたい!

人間はその昔、ワンコ族と出会って、ともに生活するようになり、どれだけ人生が幸せにあふれるようになったことか!
命をかけて仲間を守る奇跡の犬:マクナイトに、子供のころ何よりも大切だった自分のワンコを思い出し、心揺さぶられる一冊でした。

ワンコ好きのお客様、ハードボイルドと敬遠せずに、是非是非ご一読ください!

文/ 厚木店・AS
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