『生まれた時からアルデンテ』／平野紗季子／平凡社／1,500円＋税
「生まれた時からアルデンテ」とは、つまり生まれた時から（昭和生まれにとってのスパゲティとは別物としての）パスタを食べて育ってきた、というくらいの意味。
平成生まれ、というかゆとり世代のグルメエッセイである。
スパゲティをパスタと呼ぶことになんの抵抗もないし、村上春樹のスパゲティの茹で時間にだって「びよんびよんだよ」と躊躇なくツッコミを入れる。
だから、というわけでも、しかし、というわけでもないが、この著者の感性はひどくみずみずしい。
美味しいものとは真剣に向き合いたいから、それは一人で味わうほうがいい、いまは不味く感じるものでも、将来的には美味に感じる瞬間が訪れるかもしれないから、嫌いなものはキライじゃない、マカロン潰したい！等々。
作り手に最上の敬意をはらい、美味しいものと真摯に向き合う姿勢は、共感を飛び越えて憧憬さえ覚える真っ正直さだ。
食べることが大好きな方も、面白いものが読みたい方も、是非ご一読いただきたい奇書。
おすすめです。
文／
アトレ亀戸店・HS
だから、というわけでも、しかし、というわけでもないが、この著者の感性はひどくみずみずしい。
美味しいものとは真剣に向き合いたいから、それは一人で味わうほうがいい、いまは不味く感じるものでも、将来的には美味に感じる瞬間が訪れるかもしれないから、嫌いなものはキライじゃない、マカロン潰したい！等々。
作り手に最上の敬意をはらい、美味しいものと真摯に向き合う姿勢は、共感を飛び越えて憧憬さえ覚える真っ正直さだ。
食べることが大好きな方も、面白いものが読みたい方も、是非ご一読いただきたい奇書。
おすすめです。
文／
アトレ亀戸店・HS
