


「いやなんです/あなたがいつてしまふのが――」ではじまる、彫刻家・詩人の高村光太郎が、恋人のちに妻となる智恵子への愛を謳った情感あふれる詩集です。
「ほんとの空が見たいといふ」純粋さをもつ智恵子と「命の霊泉」として彼女を崇める光太郎。そこは二人だけの世界です。
「我等はただ愛する心を味へばいい」
ところが徐々に智恵子は精神を病み、亡くなってしまいます。
「我等はただ愛する心を味へばいい」
ところが徐々に智恵子は精神を病み、亡くなってしまいます。
虚無感に陥る光太郎でしたが、やがて「あなたは萬物となつて私に満ちる」と感じるようになります。
私は恋人を待ちながら『智恵子抄』を読んだ時、湧いてくる涙の対処に困りました。
「遊びぢやない/暇つぶしぢやない/あなたが私に会ひにくる」
文/ たまプラーザテラス店・HI
