


おっきょちゃんと呼ばれている女の子が裏の川で遊んでいると、ガータロという赤い顔をした河童の子どもが、水の中にある河童の国のお祭りに誘ってきました。
おっきょちゃんは浴衣に着替えておみやげのきゅうりを用意して、水の中へ。
ガータロと一緒にお祭りを楽しむおっきょちゃんが祭りの餅を一口食べるごとに、お父さんのことを忘れ、お母さんのことを忘れ、水の外の事も全部忘れてしまいました。
それから、おっきょちゃんはガータロのうちの子になって毎日遊びました。
ある日、頭の上を流れていくひらひらしたものを見つけます。
それはお母さんが作ってくれた人形でした…。
おっきょちゃんとガータロが交わす言葉が、何ともいえない、胸がすくような気持ち良さに溢れています。ちょっぴり怖い思いをしますが、ガータロや、ガータロの家族のやさしさにも胸が熱くなります。
子どものころに誰もが持っていた感情や、異世界のこと、他者との関わり合いについて、少しでも思い出すきっかけになるかもしれません。
文章のリズムが心地よく、描かれている絵も素晴らしく、とても印象深い作品です。子どもはもちろん、大人の方も是非ご一読を。
文/ 大和店・MY
