
エ~ッサ♪ エ~ッサ♪ エッサホイ サッサ♪
ん?! なにか今日はお祭り? と思えるほど軽快なテンポの「お猿のかごや」が流れるホーム。
市民の強い要望により、電車の発車合図音として従来の電子音を変更し、今年の11月から「お猿のかごや」が採用されたのはJR東海道線小田原駅です。
歌詞にもある通り、改札を出れば大きな小田原提灯。西口には北条早雲公、東口には二宮尊徳像に出迎えられ、ビブリオバトル in 有隣堂は小田原の城下町へ!
折しも当日は市内あげての一大ウォーキングイベント、城下町おだわらツーデーマーチの2日目。
参加者と思われるスポーツウェアやリュックを背にした大勢のウォーカーたちで賑わっています。
エッサホイ♪ とばかりに足取りも軽く、気分も軽くレポートして参りましょう♪
今回の会場は小田原駅直結のショッピングビル、ラスカ小田原6F U-meテラス(ユメテラス)。
お手入れの行き届いたグリーンガーデンの向こうには小田原城を臨むことができます。
そして、テラスの眼下には有隣堂のお店が一望できる最高のロケーション。
おや? この風景、どこかで見覚えありませんか?!
ピン! ときた貴方は相当な有隣堂通!
今年春に有隣堂が発行したフリー冊子『第8回 わたしがおすすめする本たち』の特集ページ「大解剖!これがぼくらのまちの本屋さん」のイラスト図解モデルとなったお店がこちら! ラスカ小田原店なのです!
あのお馴染みキャラの生みの親スタッフがいるお店でもあります。
第1部 ビブリオバトル
そんなこんなで小田原でのビブリオバトル開催を望む声は多く、ついに実現! 小田原城下町バトル、開催です。ビブリオバトルのルールはとっても簡単。どなたでも気軽に楽しめます。
→ビブリオバトルが約1分で分かる!YouTube動画
→もっと詳しいルールを読む

テーマはやはり「小田原を訪れるなら読んでおきたい1冊」。
5名の発表参加者(バトラー)さんの自己紹介のあと、くじ引きで順番を決めて、いよいよカウントダウン!
いきなり初めてのビブリオバトル参加で1番を引いた強運者、山田さんの発表はいかに?
「日本全国を歩いて地図を作った伊能忠敬の話。どこまで本当でどこからフィクションか分かりませんけどね、伊豆編では湯河原で一泊するんです。そこに二宮金次郎が出てきて……」
伊能忠敬を主人公に、行く先々で実在の登場人物たちと出逢いながらいろいろな出来事に巻き込まれ旅をすすめる様は、時代活劇を見ているような楽しさが伺えます。
※当日ご紹介下さったのは「日本歴史文学館 別巻」版の『四千万歩の男 伊豆編』なのですが、2014/11/16現在、版元品切のためご注文頂けません。
そのため上記の書籍情報は、現在入手可能な講談社文庫版で「伊豆編」にあたる4巻・5巻です。
続く2番手は田中さん。都内からはるばるお越しくださいました。
「日本の城の石垣は地震にも強い。どうしてか? 日本刀は曲がらず折れずよく切れる。そこには日本オリジナルの伝統が生きているのです。
そして小田原の名物梅干しにも秘密が……」
この本の執筆から梅干し先生と呼ばれるようになった著者が語る日本人の知恵と優れた技術の数々に、あらためて古き良き日本の誇りを取り戻す1冊。
3番手は真鶴在住の学生、三留さんです。
小田原ビブリオバトル開催を待ち望んでいた一人です。
「神奈川にもいろいろなお酒がある中で西部が多いんですね。それは美味しいお米と水と関係があるようです。
銘酒“丹沢山”は日本酒のために足柄で作られたお米と、丹沢の水で作られています」
県内の蔵元やお酒のレビュー、エピソードが書かれ、呑兵衛歴の浅い若い三留さんのような方にはもってこいの日本酒入門本となったようですよ。
※2014/11現在、版元品切れとなっております。図書館で探してみてくださいね。
山成健治/神奈川新聞社 かもめ文庫/695円+税
4番手、小田原といえば蒲鉾!を楽しみにしているという橋本さんです。
「歴史は苦手であまり読まないのですが、この本はファンタジーなので想像力が豊かになって、謎の多い北条早雲のことなどミステリー小説のようで楽しめます」
近頃は科学や理屈で解決できないことは何でも妖怪のせいにする風潮があるようですが、昔から似たようなことが行われているのです。
カラス天狗もそのひとつなのでしょうか?
最後のバトラーは滝さん。小田原までは横浜へ出るより近い!と豪語する茅ヶ崎からのご参加です。
「今回のテーマで思いついたのがまず聖地巡礼。そしてこの本。
唐突に“小田原城には象がよく似合う”と書いてあるんですね。
大人になって小田原城に来てみて象も見ました。うん……そうか、と(笑)」
小田原城の象とはウメ子のこと。
昭和25年にタイから小田原城址公園内にある小田原動物園に来園し、60年以上に渡り小田原城とともに親しまれた存在。懐かしい!
※滝さんが当日お持ちくださった花とゆめコミックス版は、2014/11現在版元品切のためお取り寄せができません。代わりに、入手しやすい白泉社文庫版をご用意していました。
さあ、小田原を訪れるなら読んでおきたい1冊として、5冊の本が紹介されました。
この中から「一番読んでみたくなった本」に投票をします。
結果は…?!
橋本さんの『天狗童子』に決定ー!!おめでとうございます!!!
ファンタジーの中に隠された歴史上の人物は誰か、想像しながら小田原探索に出かけてみましょう!
ふと見上げた空に天狗の姿を見るかもしれません。
様々な角度から小田原を知る本が紹介されましたね。バトラーの皆さんありがとうございましたー!
閑話休題、ミニトーク
ところで、有隣堂は本屋でもあり出版社でもあります。
出版社としては、本店を置く横浜を中心に神奈川県に特化した内容にこだわり、定期刊行を続ける「有隣新書」の中にも本日のテーマにぴったりなおすすめ本、あります。
それが『戦国大名北条氏』です!
編集を担当した当社出版部の佐々木よりチラッと制作ウラ話を披露!
「著者の下山治久さんは中高校生時代からお城好き。好きが高じて関東の戦国期研究の第一人者となり既刊『横浜の戦国武士たち』をご執筆頂きましたが、特に北条氏がご専門なのでこちらの本を出すことに。北条五代一族を体系的に知るにはもっともおすすめ。
小説家の伊東潤さんも実は読まれているそうで、意外なところにビッグな読者がいました」
そう語る佐々木氏も取材で小田原へ足を運び、表紙カバー画像に小田原城天守閣所蔵の絵をお借りできたそう。
また自身で撮影した各所のスナップ写真も本書のどこかに使用されているそうですよ。
北条氏を巡るこれぞまさしく聖地巡礼。小田原のカメラスポットを探してみてはいかがでしょう?
第2部 小田原いいとこ自慢!
それでは第1部を終了し休憩をはさんで新企画のお楽しみ、第2部小田原いいとこ自慢!へと続きます。第2部は初の試み、地元の歴史・文化、グルメ、観光などなど自慢したいモノやコトがあればなんでもOK!ゆるくご紹介して頂くコーナーです。
エントリーして頂いたのは6名の小田原愛にあふれる皆さん。勢いよくいきましょう!
●箱根寄木細工の若手職人グループ 雑木囃子(ゾウキバヤシ) メンバー小島さん!
6名のメンバーそれぞれの作品を次々ご紹介。昔ながらのしかけの施された秘密箱のほかに若いセンスを生かしたバリエーション豊かな美しい寄木細工、ベルトのバックルまで!
11/28(金)~12/25(木)まで ラスカ小田原5F WAZA屋 さんにてクリスマス作品の展示・販売が始まりますよ。
乞うご期待!
●第1部で見事チャンプ本を獲得した橋本さんふたたび!
蒲鉾工場のショップで目にして以来探し続けた奇跡の逸品。
黒沢明監督も惚れた世界一の音色、小田原風鈴!
チリーン、チリーンと高く上品な音色が響き渡り心静かになりますね。
●地元大好きさわやか学生・三留さんもふたたび!小田原愛が止まらない!
アミーおだちか閉店以来、長年さびしかった小田原駅地下街がついに11/1(土)、HaRuNeとしてリニューアルオープン!
HaRuNeハルネとは、植物が芽吹き、茎を通って栄養を運び上げ、花が咲き、実を結ぶようになぞらえ、小田原地下街が地域を活性化する源となる「張る根」になってほしいとの思いが込められています。
「めっちゃいい話やん!」感動する三留さん。
一方、ラスカ小田原の「ラスカ」とは一体どのような由来が込められているのでしょう?!
「LUSCAラスカとは“Luxurious Shopping Center Avenue”の頭文字を取っています」と即答して下さったのはラスカ営業部のOさん。さすがです。
上質で快適なお買いもの空間を演出するラスカとハルネ、これからますます小田原でのお買いものが楽しくなりますね。
●老舗 もなか専門工房 種秀 金井さん!
ハルネのオープン以来休む間がないという満身創痍の金井さん(笑)。
ですが小田原城の変遷をニッチな視点で解説。と思ったらおもむろに種秀さんの城型もなか登場~!
城下町の図をそのまま包装紙にしてしまうという城マニアにもたまらないコラボレーションです!
おすすめはバニラアイスサンド!
●小田原まちあるき観光ガイド 兼 小田原スイーツ大使 兼 梅丸護衛忍者のお茶さん!
とにかく小田原のことならなんでもござれ! 小田原大好き青年のお茶さんの得意分野はスイーツ!
イチオシ情報は11/1(土)~11/30(日)まで開催中の「小田原さんぽ甘味摘み」!
44店舗ものスイーツショップが食べ歩きチケット対象ですって!
→見たら絶対食べたくなるレポートはこちら
●最後は有隣堂ラスカ小田原店の店長寺澤も飛び入り参加!
小田原といえば、地元作家の椰月美智子さん。数ある人気作品の中で小田原を舞台とするのが『坂道の向こう』。
そして2014年11月に発売されたのが最新刊『伶也と』。読後のショック状態の店長にマイクを向けると……
「椰月さんの作品は幅広い世代に楽しんで頂ける爽やかなものから、どぎついものまであります。
特に『伶也と』は、主人公の女性を想うにつけ、他人事ではなく身につまされます。冒頭からショックで…」
※写真はヨドバシAKIBA店のツイートより
とかなり心をゆさぶられる仕上がりの様子!
今回のビブリオバトル・小田原おすすめ本コーナーにあわせてございますので、ぜひお手にとってみてください。(有隣堂ラスカ小田原店の店頭コーナーは2014/11/30頃までを予定)
ご出演の皆さん、ありがとうございました!!
今回は小田原を愛する方々を通して、本だけでなく、伝統工芸品やグルメ、まちの変遷と文化など様々な角度から小田原の魅力を再発見することができ、ますます小田原っていいなあ~!と感じる一日となりました。たくさんの出逢いもありました。
皆さんはいかがでしたか? 少しでも小田原、面白そう! 行ってみたい! と思って頂けたら何よりうれしいです。
機会を見つけてゆっくり探索にいらしてくださいね。
あらためまして開催にあたり、駅ビルラスカ小田原、地下街ハルネ、小田原市役所の方々をはじめ、多くの方にご支援・ご協力頂きました。
また現地で、遠方の地から、様々にお力添えを頂きましたすべての皆さんに心より御礼申し上げます。
このご縁を宝に、また必ずや、小田原に戻ってまいりますので引き続きどうぞよろしくお願い致します。
次回のビブリオバトル in 有隣堂は11/29(土)横浜・伊勢佐木町本店別館で開催です。
たくさんの方のお越しをお待ちしています。
文/ビブリオバトルプロジェクトチーム 市川
第22回 ビブリオバトル in 有隣堂 | |
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開催日 | 2014/10/16(日) |
会場 | ラスカ小田原6F U-meテラス (有隣堂ラスカ小田原店の1つ上の階) |
テーマ | 小田原を訪れるなら読んでおきたい本 |
概要 | ビブリオバトル1ゲーム+小田原いいとこ自慢 |
参加のご予約・バトラーご応募も承っております。お気軽に遊びに来てください!
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