『折れた竜骨』上下／米澤穂信／東京創元社 ／各620円＋税
魔術のある世界で12世紀のヨーロッパを舞台にしたミステリ。
つまりファンタジー小説と時代小説とミステリ小説を合わせたような作品。
盛りこみすぎだろう、と不安を抱きましたが杞憂に終わりました。
ロンドンから船で３日進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主の娘アミーナは放浪の騎士ファルクとその従士の少年ニコラに出会う。ファルクは領主が暗殺騎士に狙われていると告げるが、その甲斐無く領主は暗殺騎士の魔術に倒れた。魔術で操られた＜走狗＞候補は８人。いったい誰が……。
素晴らしいのは終盤の謎解き。魔術という制約がある中でのミステリとしての謎解きは、私には新鮮に感じられました。ファンタジーを併せ持つ作品にふさわしい結末で、ゴールまでの盛り上がり方はお見事の一言に尽きます！
ちょっと変わったミステリが読みたい方に。
ミステリ好きにもファンタジー好きにもおすすめしたいです。
文／
ミウィ橋本店・HI
