『ホテルカクタス』/江國香織/集英社/520円+税
「ホテルカクタス」とはホテルではなく、アパートの名前です。これはそこに住む、数字の2ときゅうりと帽子の日常のお話です。童話のような優しい言葉でつづられた彼らの日常は、ありふれたものでありながらも、どこか不思議で素敵な雰囲気を醸し出します。
「ホテルカクタス」とはホテルではなく、アパートの名前です。これはそこに住む、数字の2ときゅうりと帽子の日常のお話です。童話のような優しい言葉でつづられた彼らの日常は、ありふれたものでありながらも、どこか不思議で素敵な雰囲気を醸し出します。
短編なので軽くて読みやすいのですが、読者はいつの間にか登場人物たちにかなり感情移入してしまっていることに気付きます。
もちろん、彼らは人間ではなく、数字や帽子といったメルヘンな存在として書かれているのですが、彼らの性格は人間味あふれていて、愛らしいのです。
物語を読み終わる頃には、登場人物たちに起きる変化に、読者は寂しくも切ない思いになってしまうのではないでしょうか。
この本には、誰もいない屋内の挿絵が多くあります。それが何ともいえないノスタルジックな印象の絵なのです。静かでどこかなつかしい気分に浸れます。かわいらしくて特別な、手元に置いておきたくなる一冊です。
東急プラザ戸塚店・SN
もちろん、彼らは人間ではなく、数字や帽子といったメルヘンな存在として書かれているのですが、彼らの性格は人間味あふれていて、愛らしいのです。
物語を読み終わる頃には、登場人物たちに起きる変化に、読者は寂しくも切ない思いになってしまうのではないでしょうか。
この本には、誰もいない屋内の挿絵が多くあります。それが何ともいえないノスタルジックな印象の絵なのです。静かでどこかなつかしい気分に浸れます。かわいらしくて特別な、手元に置いておきたくなる一冊です。
東急プラザ戸塚店・SN