泉『神さまたちの遊ぶ庭』/宮下奈都/光文社/1,500円+税外部リンク 
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この本を手に取ったきっかけは、「表紙が何てかわいいんだろう」と思ったことだった。いわゆるジャケ買い、というやつだ。リスや鳥などが描いてあって、北欧デザインぽくて愛くるしい。裏返しても表紙をめくってみても、かわいさ満載だ。「ああ、この本欲しいなあ」と思ってふと我に返った。中身は何の本だろうと。
読んでみると、著者の実体験エッセイだった。福井に住んでいた著者が、夫の思いつきらしい一言で、いきなり家族5人で北海道の山の中に引越すことになった。いきなりハードな展開だ。しかも引越し費用が半端じゃない。本州から北海道だと輸送費がとんでもないことになるらしい。シビアな話だ。

しかし、である。行った先には何と、素晴らしい大自然の息吹と、あったかく優しい人々が待っていたのだ。連れて行った3人の子供たちも、すぐにこの土地に慣れ、大自然とコミュニティを満喫している。

町での生活と違って、目の前に大自然がある生活。厳しいこともあるだろうけれど、厳しいからこそ、そこに住んでいる人たちと連帯感が生まれ、助け合って生きている。町で生活しているときに感じる、喜びや楽しみより、何倍も大きく感じるんだろうなと想像できる。自分もこんな生活してみたいと思うけれど、実現は難しいだろう。そう思う人がきっとたくさんいるに違いない。

読み終えたあとに、もう一度表紙を見てみると、今ならリスはリスでもエゾリス、小動物はエゾクロテンだと分かる。表紙に気を取られてこの本を手に取ってよかった。

文/ 新百合ヶ丘エルミロード店・YY
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