『グレートトラバース 日本百名山ひと筆書き』/田中陽希/NHK出版/1700円+税
この本をを読んだのはある雑誌に付録としてついていた抜粋本を読んだのがキッカケでした。題名はスピード登山で、最初はあらゆる交通機関を駆使して早く達成することかと勘違いしていました。だが実際は全くの逆で、人力以外の全ての動力を使わず、陸は徒歩で行き、海はシーカヤックで横断するという手段で日本100名山を制覇するというとんでもないアドベンチャー登山でした。
この本で目標としている日本百名山は文筆家であり、登山家でもあった深田久弥氏が日本の多くの山を踏破した本人の経験から、「品格・歴史・個性」を兼ね備えた日本の山のベスト100を自薦して発表したものです。
この山を何年もかけて登ることをライフワークとしている方も多く、山好きな人間にとっては憧れの山のステータスといってもいいと思います。
現代では有名である分、ロープウェイやバスなどで短時間に山頂まで登れてしまうようになった山も多くあります。ただ当然のごとく季節によっては死に直結するような山も多く、これを徒歩のみで行くというのはかなり無謀であると言えると思います。
しかも5月から6月にかけて日本でも最大の難所である日本アルプスを登る計画を立てていますが、この時期は雪解けが進んで登山道の整備が不完全なうえに、うっかり踏み抜いてしまったら即死亡という危険な季節なので余計に心配になってしまいました。
結局総移動距離7,800km、累積標高差10万mの行程を、208日間と11時間で踏破することに成功します。
結果自体はこれで生計をたてているプロのアドベンチャーレーサーらしく、当然といえるのかもしれません。
ただ普通の人間ができることではないことは確かです。
この本で面白いのは難所を乗り切る実力をもっていながら、思いがけないことで、挫折していることがあるところです。
例えば山岳地帯を歩くので、当然田舎道を歩いていくのですが、食料を売っている店がないということが念頭になく、食べるものがなくなってしまうという失敗をしています。
結局地元の親切な方やレース仲間の援助で乗り切っていくのですが、なんだか人間臭くて苦笑してしまいました。
また徒歩で行くため、ある地方では田植えが終わっていたのに、次の場では始まっているというような季節の移り変わりを実感し、四季のある日本の美しい光景だったという紹介をしていますが、まったくの同感です。
蛇足ですが、これはテレビ放送をすることを前提としてNHKの撮影班が命の危険がない限り、干渉しないという条件で同行していたのですが、この方たちはどういった状況だったのでしょうか。
当然交代で撮影していたのでしょうが、やる気全開の本人はともかく、雪山を重いカメラを担いでついていった方々の苦労話は本編には描写が少なかったので、余計興味が湧いてしまいました。
次に挑戦されている200名山ではぜひ載せていただきたいと思います。
文/
センター南駅店・TO
この山を何年もかけて登ることをライフワークとしている方も多く、山好きな人間にとっては憧れの山のステータスといってもいいと思います。
現代では有名である分、ロープウェイやバスなどで短時間に山頂まで登れてしまうようになった山も多くあります。ただ当然のごとく季節によっては死に直結するような山も多く、これを徒歩のみで行くというのはかなり無謀であると言えると思います。
しかも5月から6月にかけて日本でも最大の難所である日本アルプスを登る計画を立てていますが、この時期は雪解けが進んで登山道の整備が不完全なうえに、うっかり踏み抜いてしまったら即死亡という危険な季節なので余計に心配になってしまいました。
結局総移動距離7,800km、累積標高差10万mの行程を、208日間と11時間で踏破することに成功します。
結果自体はこれで生計をたてているプロのアドベンチャーレーサーらしく、当然といえるのかもしれません。
ただ普通の人間ができることではないことは確かです。
この本で面白いのは難所を乗り切る実力をもっていながら、思いがけないことで、挫折していることがあるところです。
例えば山岳地帯を歩くので、当然田舎道を歩いていくのですが、食料を売っている店がないということが念頭になく、食べるものがなくなってしまうという失敗をしています。
結局地元の親切な方やレース仲間の援助で乗り切っていくのですが、なんだか人間臭くて苦笑してしまいました。
また徒歩で行くため、ある地方では田植えが終わっていたのに、次の場では始まっているというような季節の移り変わりを実感し、四季のある日本の美しい光景だったという紹介をしていますが、まったくの同感です。
蛇足ですが、これはテレビ放送をすることを前提としてNHKの撮影班が命の危険がない限り、干渉しないという条件で同行していたのですが、この方たちはどういった状況だったのでしょうか。
当然交代で撮影していたのでしょうが、やる気全開の本人はともかく、雪山を重いカメラを担いでついていった方々の苦労話は本編には描写が少なかったので、余計興味が湧いてしまいました。
次に挑戦されている200名山ではぜひ載せていただきたいと思います。
文/



