『ドクター・スリープ』上巻/スティーヴン・キング/文藝春秋/1,800円+税
36年前にホラーの名作『シャイニング』を書いたキングが遂に続編を上梓した。
「オーバールック」の惨事を生き延びた少年ダニーは、すでに成人していた。が、彼の“かがやき”は今だ消えていなかった。むしろ、彼の今の職業である介護士として、ホスピスで死を目前にした人々を穏やかに逝かせる力として使っていた。
そこにダニーと同じような“かがやき”を持つ少女アブラが現れる。そして、その“かがやき”を食糧として活動している謎の集団<真結族>。それらが三つ巴となって話が進んでゆくのである。
36年前にホラーの名作『シャイニング』を書いたキングが遂に続編を上梓した。
「オーバールック」の惨事を生き延びた少年ダニーは、すでに成人していた。が、彼の“かがやき”は今だ消えていなかった。むしろ、彼の今の職業である介護士として、ホスピスで死を目前にした人々を穏やかに逝かせる力として使っていた。
そこにダニーと同じような“かがやき”を持つ少女アブラが現れる。そして、その“かがやき”を食糧として活動している謎の集団<真結族>。それらが三つ巴となって話が進んでゆくのである。
この本を手に取ってまず驚くのは、その原稿量の多さである。上下巻の作りで、片方の巻のページ数が優に300ページを超える。その上、文字が2段組になっているのだ。これは果たして読み終えられるかしらん、と危惧したのだが、それは全くの杞憂に終わった。
読み始めると、緻密に練られた世界観、キング独特の毒を持った言い回し、そしてストーリーテラーとしての真骨頂である面白さで、あっという間に上巻を読み終わり、全ての駒が出揃った下巻へ突入と相成ったのである。
ただし、ここで一つ言っておきたいのは、前作『シャイニング』がホラーの金字塔と言うべき作品だったのに対し、『ドクタースリープ』は、ホラーというよりも壮大なエンターテイメント小説に仕上がっている、ということである。
文/ 新百合ヶ丘エルミロード店・YY
読み始めると、緻密に練られた世界観、キング独特の毒を持った言い回し、そしてストーリーテラーとしての真骨頂である面白さで、あっという間に上巻を読み終わり、全ての駒が出揃った下巻へ突入と相成ったのである。
ただし、ここで一つ言っておきたいのは、前作『シャイニング』がホラーの金字塔と言うべき作品だったのに対し、『ドクタースリープ』は、ホラーというよりも壮大なエンターテイメント小説に仕上がっている、ということである。
文/ 新百合ヶ丘エルミロード店・YY